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最初に知りたい#7「開発手法(アジャイル)」

シリーズ6回目から8回目までの記事では、開発手法の種類と特徴を踏まえたマネジメントのポイントを確認していきます

本記事では、アジャイル型開発を取り上げます

アジャイル型は、社会やニーズの変化への対応のためにスコープの変化が想定されるプロジェクトに適している開発手法であることをお伝えしました

※こちらの5回目記事を読まれていない方は、事前にお読みいただくことをお勧めします


それでは、以下3つの観点で説明していきますね


プロダクトバックログを正しく作成する

アジャイル開発では、開発期間中にスコープ(要求事項)が変化することを想定しています

スケジュールやコスト(いくらでいつまでに作成するのか)を固定し、スコープ(つくるもの)の変化を管理していくことになります

ウォーターフォール型開発ではWBSが作業を進める上でのよりどころでしたが、アジャイル型開発の場合は、要求事項の一覧表プロダクトバックログ)をよりどころにして進めていきます

つまり、プロダクトバックログはとっても重要ってことです!
プロジェクトの最初に正しく作成し、その後も正しくメンテナンスをしていく必要があります

では、そのプロダクトバックログとは、どのようなもので、どうやって作ればよいのでしょうか

プロダクトバックログの作成方法

  1. 要求事項としてユーザーが成果物の機能を通じで実現したいこと(ユーザーストーリー)をリストする
    ※この要求事項ひとつひとつはプロダクトバックログアイテム (PBI: Product Backlog Item) 、一覧表がプロダクトバックログ (Product Backlog) です

  2. 実現したいユーザーストーリーを優先度順に並べる

  3. 規模感による見積もりをする(ストーリーポイント
    ※プランニングポーカー、Tシャツサイジング、などの方法があります

プロジェクトチームのリズムを作る

スケジュールを固定するという特徴から、プロジェクトの進め方に一定のリズムを作ることが適しています

リリース計画
プロダクトバックログより優先度の高い要求事項(プロダクトバックログアイテム)から成果物としてリリースしていく計画をたてます
3~6か月ごとにどのような順序でリリースするかの計画をたてます

イテレーション計画
イテレーションは1~2週間の作業を繰り返します
各イテレーションのはじめに、チーム内で達成したい具体的な成果(目標)やタスクの確認をします
イテレーションの中で開発するタスクをイテレーションバックログといいます ※カンバン、タスクボード、ということもあります

イテレーションでは、イテレーション計画イテレーションバックログを対象にした開発作業以外に以下のようなアクティビティも実施します

デイリースタンドアップミーティング
毎朝、短時間の会議でチーム内で情報共有をします
※デイリースクラムと言う場合もあります

レビュー
開発した成果物が顧客の要求を満たしているか確認します
フィードバックを得て、次のイテレーションで対応する必要がある改善案の検討をします

レトロスペクティブ
各イテレーションの最後に行う振り返りで、プロジェクトマネジメントに焦点を当てます
イテレーションでの出来事をチーム内で共有して教訓を得たり、次のイテレーションで対応が必要な改善案の検討をします

バックログの優先順位付け
プロダクトバックログは定期的にレビューして優先順位付けしなおし、最適な状態を保ちます
※毛づくろい、などの意味のあるグルーミングという呼び方をすることもあります

バックログの優先順位付けはイテレーションの中で行うレビューやレトロスペクティブの結果から実施します
次のイテレーションが始まる前にPBIの順序は入れ替わることもあり得るということです

バーンダウンチャートで進捗状況を把握する

ウォーターフォール型開発ではEVMで進捗状況を確認しましたが、アジャイル型開発の場合は、スケジュールと工数(メンバーの人数や開発能力に依存します)が固定されていすので、要求事項の一覧表プロダクトバックログ)の残作業を確認することでプロジェクト進捗を確認します
※管理単位がイテレーションの場合はイテレーションバックログの残作業の確認になります

表計算ソフトなどで総工数、消化工数、残工数などを管理し、理想的な進捗率と実績をグラフ化(縦軸:作業量、横軸:時間)することで、遅延や先行などの進行状況が可視化できます

進捗状況は、リリースやイテレーションの単位、プロジェクト全体やサブチーム単位などで行われますが、バーンダウンチャートはチームメンバーのモチベーションをコントロールすることにも効果的なので、それぞれのプロジェクト状況にあった単位で作成して共有することが重要かと思います


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最後までお読みいただきありがとうございました



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