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反省だけなら (88)

反省だけなら猿でも出来る。果たして本当にそうだろうか。確かに猿回しのお猿さんは”反省”をする。猿回しの体に手(動物だから前足なのだろうかと疑問が浮かんだが、器用に使いこなしているので手と呼んでも良いだろう)を添え、体を預けるように寄りかかり、あたかも何かを省みているような印象を与える芸がある。観客はこれを観て猿も反省する、人間と同じなんだと錯覚をする。ついでに言うといかに上手に錯覚させるかが芸である。つまり、猿の場合、芸なのだ。あたかも反省しているかのように見せかけ、人間に親近感を与える芸。腹の中では「こうすれば後でご馳走もらえるし、損することもないしやっておくか」と思っているのだ。反省の気持ちなど全く見当たらない、それが、猿の”反省”なのである。本当の意味での反省など、猿には出来ないのだ!

次は犬。粗相をした時に飼い主が叱るのは当たり前であるが、何やら反省をしてるような顔をする場合がある。しかし、これも大きな間違いである!怯えた表情でをしてあたかも「悪いことしましたもう二度としませんごめんなさい」と飼い主を上目遣いで見上げる。飼い主はこれだけ反省をしてるのだからと思うだろう。違うのだ。飼い主が怒っていることに、困惑し、戸惑い、警戒しているだけであり、腹の中では「何だろ?急にどうしたんだ飼い主、今近づかない方が良いかな、は〜ぁ、どうしよ」と思っているのだ。当然同じ過ちをまた繰り返す。犬に本当の意味での反省など、皆無なのだ!!

ではどんな動物が反省をするのか。知能の高い動物からごく適当に検証してみるとする。

ブタ
豚はとっても綺麗好き。快不快を表情に出す生き物である。何より美味いので反省などしない。


可愛い。とにかく可愛い。自らの愛くるしさを知っている。反省などするわけない。

オウム
人の声真似をする。単語を組み合わせ短い文章を作るが、反省することはない。

カラス
頭良過ぎて怖い。鳴く回数で仲間とコミュニケーションをとっている。おそらく曜日感覚を持っていてゴミの日を知っているが、毎年お正月などゴミ収集車が来ない時期に困惑している節がある。反省してない。

ゾウ
デカい。反省しない。

クジラやイルカ
知能が高いらしい。超音波のような何かで会話をしている。海の中過ぎてわからないが、毎度シャチに狙われているので反省してない。

どうだろう。結果どんなに知能の高い動物も反省は出来ない。反省は人間しか出来ないのである。しかしだからと言って全人類が反省しているかというとそうではない。人間の中にも反省出来ない者がいるのも事実なのだ。

反省(はん-せい)
・自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を考えること
・自分の良くなかった点を認めて、改めること。

毎度毎度〆切を過ぎることを、筆者は反省している。反省だけなら猿でも出来る。違う、猿には出来ない反省をしているのだ。そう思ったものの、毎度繰り返していては猿と同じではあるまいか。反省というポーズをとっているだけなのではないだろうか。いやしかし、やはりそうではないのだ!心に残る罪悪感は猿にはない。自業自得だとしても罪悪感がある分、猿とは違うのである!!〆切過ぎてごめんなさい!!!反省してます!!!!!

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この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com