デジタルとアナログの棲み分け

再加工と複製

デジタルは、再加工ができる。基本的に0と1の世界であり、それを書き換えることで、目に見える情報が書き変わる。つまり、元の状態にもどしたり、別の場所に移動したりと、文字通りクローンが作れる。

できないアナログとできるアナログ

それに対して、アナログはそれができない。物質が固定されるため、元には戻せない。
もちろん肉眼で確認できないレベルで、元とほぼ同じようにすることはできる。ただ、それはデジタルで戻すという行為ほど簡単ではない。その代わり、何かを表現するには技術さえあれば、割と簡単にできる。
こと、紙に文字や図式を書くことに関しては、未だデジタルを超えることはない。
ただし、再編集をしないものに限る。

紙とペンの強み

つまり、成果物としてのイラストは、デジタルの方が、再編集がしやすいため便利に、自由に、簡単に描ける。
これは、芸術美術がその視点で目指すべきなのかどうかはわからない。ここで、デジタルとアナログの優劣を決めるつもりはない。ただ、再編集をしない、芸術性を求めないのであれば、紙とペンで書くという行為は、今のところ追随を許さない。
iPadは書き心地がいい。これは、紙に対しての比較であり、紙を超えるわけではない。iPadがメモに置いてアナログ手書きを超えるのは、2点。持ち運びのための制限がないことと、再編集ができること。
であれば何かの作業をするために、実態を見ながら自分で整理をし、その後何かにまとめるのであれば、アナログで書くことも選択肢に十分入るだろう。特に、私の職場では、裏紙と言われるものが大量にあり、それらを消費することは、心理的ハードルはない。それであれば、その紙を使って、簡単に書ける。足りなければ紙をつなげる。失敗すれば書き直せる。

紙に書くことは手段の一つ

紙に書くことは手段であり、書くことは手法である。ここでいう書くは、書きながら自分の頭を整理する、である。
だったら、デジタルかアナログかという0か1で判断をする必要はない。なぜなら私たちは人間なのだから。
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手書きをテキストに変換

余談だが、手書き文字を写真で撮影すると、テキストとして読み込むようになった。これはiOS16からの機能だ。まだ精度は低い。ただ、一度書いたものを必要に応じて、再編集できる形に変換することができる未来はすぐそこまできている。
ならばなおさら、その場で適切な方法を選んだほうがいい。

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