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Qualcomm Snapdragon XシリーズはApple Mシリーズに勝っているのか?

今回参考にした情報源

実際に本物の製品を買って比べたいのですが、さすがに資金がありませんので、すでにレビューしてくださっている情報から考察しています。

今回参考にしたのは、海外YouTuber「Max Tech」さんの「Surface Laptop 7 with X Elite」と「M3 MacBook」を比較した動画などです。

海外のガジェット系YouTuberの方は情報が早くて専門的かつ率直なレビューを見ることができます。

vs M3 MacBook Air

vs M3 MacBook Pro 14”

英語わからなくても、YouTuberの自動翻訳機能を使って視聴すればだいたい内容がわかります。(私も自動翻訳に頼ってます)

新型SurfaceとM3 MacBookとの比較

ベンチマークテスト結果としてはSnapdragon X Eliteを搭載したSurfaceの方が優れた結果が出ることが多かったです。特にマルチスコア性能は非常に高いです。

ただし、実際の作業をこなすテスト結果としてはちょっと異なります。

グラフィックテスト結果ではM3 MacBook Airが上回ったり、バッテリーの持ちもMacBookが良い結果がでていました。

販売価格の近いM3 MacBook Pro 14”との比較となると、3Dソフトや動画編集時の滑らかさ、エンコードスピードはSnapdragon X Eliteは惨敗していました。

AI性能についてはまだソフト自体が少ないので比較されていませんでしたが、現状で新型ARM版Windows Snapdragon X Elite搭載機は、同価格帯のMacBookに性能的に勝てていないようです。

確かにCPU単体の性能を図ると高性能ですし、NPU(AI処理専用チップ)性能もSnapdragon Xシリーズは高いです。

とはいえ、横に並べて比べられると実作業ではMacBookの性能の高さが浮き彫りになります。

今後のAI PCについての動向もそれぞれ追う必要がありますが、現時点でわかる範囲ではクリエイティブに使うならMacが強いのは変わっていないようです。

AppleとWindowsのARM対応についての違い

全てのアプリを一気にARM版で作るのは無理があるのでAppleもWindowsもエミュレーターを使って従来のx64版アプリも動かせるようにしています。

なぜAppleのARM移行はスムーズだったのか?

2020年に登場したMacBookはApple独自のM1チップを搭載してARM版macOSを動作させて「Rosetta 2」をエミュレーターとして使うことでx64アプリも問題なく動きました。

この「Rosetta 2」は非常に優秀で、アプリにもよりますが速度的に5%程度しか性能が落ちなかったのです。

そのため、ARMに最適化していないアプリもほとんど違和感なく使うことができ、今ではAppleはARMへの完全移行が見えてきています。

2024年6月にSnapdragon Xシリーズチップを搭載したARM版WindowsもAppleと同じように「Prism」をエミュレーターとして使っています。

この「Prism」という新エミュレーターは、以前のものよりもかなり優秀になっています。

しかし、AppleのRosettaと比べてしまうと速度低下は大きくて、アプリによっては体感できるレベルで動作が遅くなるようです。

アプリの量が違う

Appleはアプリの総数としてWindowsとは比べ物にならないほど少ないです。(これが弱みでもあるわけですが)

WindowsにあってMacにはないアプリは無数に存在します。この現状が、今回x64からARMへの移行において差を生んでいるものと考えられます。

アプリの数が少なければ、ARMに対応するための手間もトータルで少ないわけです。

Windowsでは非常に多くのアプリと、その開発者がバックにあってARM版を作る手間や時間もトータルではAppleよりはるかに時間がかかるでしょう。

ARM版Windowsでは動かないアプリ・ソフト

Prismによるエミュレーションができると言っても、ハードウェアに関連するようなソフトなどは動作しないようです。(CPU温度管理ソフトなど)

また、ARM版Windowsではゲームも得意ではなくて、エミュレーション動作でも動くものもあれば、起動不能のものもあるとのこと。

Appleも数年前まではゲーム関連は弱かったですが、今のMacはCPUとグラフィック性能が高まったこともありWindowsほどタイトルは多くないとはいえ「Macでゲーム」は可能です。

しかし、今のところゲーム性能を重視するなら、x64のIntelやAMDのCPUを搭載したWindows PCを選ぶのが無難です。

Snapdragon Xシリーズ・ARM版Windowsはしばらく様子見でも良い

Microsftの純正アプリ、Officeなどを中心に事務的な用途で使うなら非常に高速でバッテリーの持ちも良いのがSnapdragon Xシリーズチップを搭載したARM版Windowsです。

ただ、多方面での活用を考えておられる場合には、もうしばらく様子見しておくのが無難なPCでもあります。

Apple MシリーズチップとARM対応と比較してしまうと、ネイティブ動作するアプリ量やエミュレーション性能などで結構な差を感じます。

現状ではARM版Windows・Snapdragon Xシリーズチップ搭載PCは価格も高いので、資金的に余裕があるなら良いかもしれませんが、一台目のPCとするにはリスクが高いかもしれません。

Microsoftが取り入れ始めた「Copilot」機能についても、実際に必要かどうかを見極める必要があると感じます。

将来的にIntelもAMDもARMへと移行していく可能性は高いですが、今現在仕事などで動作させているソフトを無難に動かすならIntelかAMDのCPU搭載のPCがいいでしょう。

また、Windowsの強さはAppleと異なり多くのブランドから様々な機種が登場し、価格や性能の競争も生まれやすい点です。しばらく待てば各ブランドから多種多様なモデルが登場してくるでしょう。

そしてAppleの悪い癖であるメモリやストレージ増量での価格の割り増しはWindowsでは比較的少なかったり、ストレージは自力で増設できたりする場合もあります。

今はMicrosoftが若干勇み足で「Copilot+PC」などAI技術を売りにした宣伝を行っている感じがしますが、今後実際に使ってみてのレビューを参照したり、AppleのAI技術などと比較していくと真価が見えてくると思います。

個人的には今回のARM版Windows・Copilot+PCについては来年まで見守ってから購入を検討しても良いように感じますね。

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