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色白をキープしたい! Z世代の日焼け対策、その傾向は?

 今年は4月頃から汗ばむ日があり、夏が早まっている印象ですね。この季節から気になってくるのが日焼けです。最近はモデル、俳優、アイドルなど、男性でも色白の方が多く、流行りのK-POPアイドルに至っては女性も憧れるほど色白です。こうした動向から世の中的に色白肌の方が支持されている印象ですが、実際にどのくらいの人が色白肌を目指しているのか? 一方で日焼けした肌を目指す人はどのくらいいるのか? 日焼けに関する意識をリサーチしてみました。

【アンケート】
<調査対象>
15歳~34歳までの男女357名(男性179名、女性178名)
<調査実施期間>
2021年5月12日~18日まで
<調査方法>
インターネット調査

日焼けに対する意識は年代によって差がある

まずは、今年の夏に目指したい肌を聞いてみました。果たして世の中の動向のように、色白肌を目指す人は多いのでしょうか?

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 全体では、「色白の肌をキープ」と回答した人が最多の46.8%でした。次いで多かったのが「特に日焼けの意識はしない」で34.2%、「日焼けをする」は17.4%で最も少ない結果となり、やはり色白肌の支持は高いようです。

年代・性別では、女性は6~7割が「色白肌をキープ」と回答しており、若年層ほどその意向が高く、日焼けに対する意識が高い一方で、男性は全世代で約半数が「特に日焼けの意識はしない」と回答しています。ただ、そこにも年代によって大きな差が出ており、「色白の肌をキープ」は20-24歳>15-19歳>25-29歳、という順で高く、2~3割が回答。30代前半は極端に低く、逆に「日焼けをする」は39.4%と極端に高くなっています。

また、20-24歳の「日焼けをする」の割合は他世代よりも圧倒的に低い8.9%で、同年代の女性よりも低くなっています。日焼けをする/したい理由を深掘りしたところ(※複数回答可)、「日焼け止めを塗る等対策をするのが面倒」という回答が60%で、「日焼けしていた方がかっこいいから」の40%を上回りました。自ら望んで日焼けをする、という層も一定数はいるようですが、仕方ないから日焼けをする、というネガな動機で日焼けをする人が多いようです。

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 先述の日焼け意向同様に焼きたくないという意識が高く、「日焼け対策をする」という回答が66.1%となりました。

年代・性別では、女性は全年代で8割を超え、ほとんどの人が日焼け対策をするという結果に。男性では、全体的に約半々となっていますが、ここでも30-34歳は「日焼け対策をしない」の回答が一番多くなっています。ここまでの結果を踏まえると、男性では30代以上は日焼けした肌を好み、20代以下は若くなるほど色白肌を好むという傾向があるといえます。

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 「日焼け対策をする」と回答をした方々に、いつ頃から日焼け対策を始めるのかを聞いてみると、男性は、6月までには半数が対策を始めるようです。20-24歳の16.7%が一年中対策をしている、という結果も興味深いですね。一方で女性は、約半数が5月には対策を始めていて、25-29歳では一年中対策をしている人が最多という結果となりました。先述のとおり、男性は色白肌を好む傾向にあるとはいえ、やはり日焼け対策の意識はまだ女性の方が高いようです。

対策はしてもアフターケアはしない? 男性にも「日傘」が浸透

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 具体的な対策については、やはり「日焼け止めクリーム」が全体で最も多くなっています。女性は年代別で見ても大きな差は出ませんでした。男性では、日焼け止めクリームの使用について15-19歳と30-34歳の間で約26%の開きがありますが、クリーム以外の対策は他の年代より全体的に高くなっています。特に「日傘」は46.2%と半数弱が使用しており、30-34歳では定着してきているといえそうです。

日焼け止めクリームを塗る部位については、どの世代も「顔」がダントツで多くなりました。その他、「首」や「腕」など、上半身への意識が高いようです。脚まで気をつかっているのは、男女ともに15-19歳で高くなっていますが、これは日常において制服や運動着などで脚が出る機会が影響していそうです。

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 今年の日焼け対策といえば、いまや手放せなくなったマスクによる日焼け、いわゆるマスク焼けも気になるところです。そこで、マスク焼け対策についても聞いてみました。

全体で見ると約半々ですが、男女別に見ると「している」の数値を上げているのは主に女性であることがわかります。男性は総じて女性よりも低く、特に20-24歳で対策をする人が少ないようです。

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 日焼け後のアフターケアについて、男性は15-19歳と25-29歳では半数以上は冷やしたりスキンケアをしたり、と、何かしらの対策はしていますが、全年代で「特に何もしない」という回答が最も多い結果となりました。男性には日焼け後にアフターケアが必要、という意識を持っている人がまだ少ないようなので、そのあたりの意識変化を含んだ訴求をするとスキンケアアイテムの訴求がより強く響きそうです。

 今回の調査からわかった「日焼けに対する意識」の特徴は以下のとおりです。

① 男性の「色白肌」と「日焼け肌」の好みの境界線は20代と30代の間にある
② 男性の間ではまだマスク焼け対策と日焼け後のアフターケアの意識が低い
③ 男性にも日傘は浸透してきており、特に30-34歳で利用率が高い

若年層ほど色白肌を好む傾向があることから、今後も男性の間で日焼け対策グッズの需要が高まっていきそうです。CMもパッケージも女性に向けたものが多い印象ですが、これからは男性による利用も意識した訴求をしていくことで、男性がその商品を手に取りやすくなり、売り上げの増加に繋がっていくのかもしれません。昨今、ジェンダーレスコスメも増えているように、日焼け対策においてもよりジェンダーレス化が進んでいくことが予想されます。

堀 200×200

堀 かおり
2014年、電通テック入社。2018年5月より +tech labo の研究員となり、“Z 世代”を軸として開発業務を行っている。Z世代男子に向けてメンズ美容の情報を発信するInstagramアカウント「Boys Beauty」のプロデューサー。

https://plustechlabo.jp/