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「テレビの放送時間に自分の時間を合わせるのは効率が悪い」Z世代男子のいま ~動画視聴&サブスク編~

皆さんこんにちは! Boys Beautyプロデューサーの堀かおりです。

突然ですが、皆さんは「Z世代(※)の男子」についてどのくらいご存知でしょうか? 世の中には「Z世代」や「Z世代の女子」に関する記事やデータは多くありますが、「Z世代の男子」についてはまだそう多くは語られていません。

※Z世代=1995年~2005年頃に生まれた10代~20代前半の世代

私は彼らの考え方や消費行動に非常に興味があり、彼らについて日々たくさんの記事や文献を読んでいます。その学びの中の大きな発見の一つは、美容に興味を持つ男子が多い上に、上の世代ではコンプレックスを隠すために始めるメイクを、普通にファッションの延長としてポジティブに楽しんでいる、ということです。
そこで、美容を楽しむ男子を切り口としてZ世代と直接繋がりを持つ場を作りたいと思い、2018年冬にInstagram上で”Boys Beauty(@boysbeauty_jp)”というメンズ美容コミュニティを立ち上げました。
立ち上げて以来、フォロワーと話をしたり、オフラインイベントを開いて直接行動を見たりしていますが、そのようにZ世代男子と触れている私からすると、大人は彼らへの理解が全く足りていない印象です。

「いまどきの男子は弱々しい。男は男らしく!」
「何考えてるのかわからないし何やってるのか見えない...」
「男なんていつの時代も三大欲求さえ満たせればいいんでしょ」

そんな考えを、皆さんの周りの方は持っていませんか?
ぜひ実態を知って捉え方をアップデートしましょう!
Z世代男子は、深掘りしていくとこれまでの世代の男性の若い頃とは明らかに異なる独特の特徴を持っています。
知れば知るほど、興味深い変化を遂げているのです....!!

ということで、これから少しでも皆さんにZ世代男子への理解を深め、日々のビジネスにご活用いただけるよう、インタビューとアンケートをベースとしたレポートを発信していきます!

【インタビュー】
Boys Beautyアンバサダー 6名(21~24歳)

【アンケート】

<調査対象>
5 都道府県(東京都・大阪府・愛知県・北海道・福岡県) × 3 つの年代 (15-19歳、20-24歳、24-29歳)の男性1795名
<調査実施期間>
2020年7月1日~7月5日
<調査方法>
株式会社 Quest の提携する調査会社モニターを利用したインターネット調査・分析

初回となる今回は、動画視聴とサブスクリプションサービスの利用について実態をまとめます。

動画サービスについて

【インタビュー】よく使う動画サービスは?

Boys Beautyのアンバサダーへのインタビューの中でよく話題に挙がったベスト3はこちら。

第1位「YouTube」
トップは圧倒的にYouTube!ただし観るものはそれぞれでした。

「kemio(※1)が好きなのでkemioの動画を観てます。あとはK-POPのMVとか!」

「東海オンエア(※2)とかバラエティ系観たり、自分がYouTubeに出ているのでそれを観たりしてる」

「昔のアニメを観てます!」
※1 kemio…SNSを駆使し、グローバルを股にかけ活躍するカリスマ動画クリエイター。モデルに負けず劣らずのスタイルと、ユーモアのあるトークで、主にYouTubeを中心として活動し、若者から絶大な支持をされている。YouTubeチャンネル登録者数187万人(2020年9月16日時点)。
https://www.youtube.com/c/mmkemio/

※2 東海オンエア…愛知県岡崎市に拠点を置く、6人組YouTuberグループ。メンバーはてつや、りょう、しばゆー、としみつ、ゆめまる、虫眼鏡。2013年にYouTubeより動画投稿を中心とする活動を開始。YouTubeチャンネル登録者数551万人(2020年9月16日時点)。
https://www.youtube.com/user/TokaiOnAir/

第2位「TikTok」
次いで多かったのはTikTok。電車に乗っているときや寝る前などに、気付くとひたすら観続けているのだそう。聞いていた中では、自分で撮って投稿するというよりはフォローしている友人や芸能人の動画を観るとのことでした。

第3位 「Amazonプライム・ビデオ」
3番目に多かったのがAmazonのプライム・ビデオ。映画やバラエティを観ているそう。

その他に「Netflix」「U-NEXT」「dアニメストア」「Abema TV」「TVer」などが挙がりました。
面白かったのは、皆、目的を持って有料サービスに登録をしているところです。古い映画が観たいから「U-NEXT」、アニメが好きで色んなサービスを試した末に一番作品数が多かった「dアニメストア」、洋画が豊富だから「Netflix」など、それぞれサービスの特徴を把握して利用しているようです。
ちなみに視聴端末についてはみなさんスマホです。また、家ではゲーム機を使ってテレビでYouTubeや映画を観るという子もいました。

【インタビュー】動画は一日何時間ぐらい観ますか?テレビは?

大学生で時間が多いからか、5~10時間の幅となりました。

動画を観ている分、テレビの放送を観る人は少なく、観るとしても「プライム・ビデオ」や「TVer」で観ているようです。

「土日は授業も就活もほぼないから映画一日2・3本観て、合間にYouTube観てトータル5時間ぐらい観てる」

「電車乗ってるときとか手が空いたときとか、あらゆるスキマ時間にNetflixとかTikTokを観てる。トータルすると10時間ぐらい!テレビ画面で動画を観ちゃうからテレビは観ない...」

「家で音が無いと無理だから流し続けてる。10時間ぐらいかな?テレビは観ない。テレビをつけてて興味ないやつ観るのも嫌だし、番組に合わせて待機するのも嫌だから。高校生ぐらいのときから観てない...」

「夜の空いた時間とかに観るくらいだから、6〜7時間かな。テレビは観ない。高校生ぐらいのときから観てない。高校生のときは野球やってたから試合とかしか観てなかった。大学に入ってからはSNSに時間を使うようになった」

テレビの放送時間に合わせて自分の時間の過ごし方を決めるのは効率が悪い、という話で盛り上がりました。観るものが多いからこその感覚ですね。

【インタビュー】観たものについて友だちとかとシェアしますか?

話を聞いていると、男子でもシェアをすることが多いようです。

「友だちにLINEで面白かった動画のリンクを送って教える」

「Netflixで観たものをインスタでシェアしたりする!インスタのストーリーでもバンバン流れてくるし、Netflixのおすすめなんですか?とかいう質問もバンバン流れてくる」

「リンク送ったりはしないけど、直接会ってるときに会話の中で話題に出たりおすすめし合ったりする!」

特に、インスタのストーリーで流れてくる、というコメントには他のメンバーも共感していました!「新型コロナウイルスの影響による自粛期間中に投稿をすることが特に無かったから観たもののシェアが増えた気がするし自分もそうだった」という鋭い考察を彼らはしています。うーん、たしかに自分の周りでも思い当たる...!

【アンケート】
続いてはZ世代男子へのアンケート結果から、動画視聴の特徴を探っていきます。ここでは代表的な動画サービスであるYouTubeについて聞きました。

【アンケート】YouTube動画を視聴する頻度はどのくらいですか?

1位 1日に何回も観る(57.0%)
2位 1日に一回観る(14.8%)
3位 2~3日に一回観る(9.8%)

今回アンケートの対象とした3つの年齢層(15〜19歳、20〜24歳、24〜29歳)のうち、「1日に何回も観る」と回答した15〜19歳では70.5%と他の層に比べてかなり高い割合となっており、Z世代のなかでも、若い世代ほど動画に多くの時間を割いていることがわかります。

既知の事実ではありますが、やはり若い世代にアプローチをするにはYouTubeの活用はマストであると言えるでしょう。

あなたは、YouTubeで動画を視聴していますか。視聴している方は、視聴する頻度として最も当てはまるものを選択してください

【アンケート】YouTubeでどんな動画を観ますか?(複数回答可)

1位 ゲーム実況系(47.1%)
2位 ミュージック(音楽)系(45.2%)
3位 バラエティ・企画・やってみた系(42.6%)

この3カテゴリーが圧倒的に多い結果となりました。
ゲーム実況系は15-19歳においては64%と非常に大きな割合となっており、年齢が上がるにつれて割合が減っていきます。


あなたは、YouTubeでどんな動画を観ますか。あてはまるものすべて選択してください

サブスクリプションについて

<インタビュー>「サブスク」のサービスって入っていますか?(音楽配信系、通販の定期便、など)

サブスクについてもインタビューで聞いてみました。動画・音楽系以外は入っておらず、そもそも、どんなサービスがあるのかも知らない、サブスクってなに?という反応をするZ世代男子が多かったです。

洋服やコスメ、家具などのサブスクサービスが世の中に充実してきていますが、まだまだ若い世代には浸透していないようですね。

彼らが利用している主なサブスクサービスは...

・アマゾンプライム
・U-NEXT
・Abemaプレミアム
・Apple Music
・LINE MUSIC
・Spotify Premium 等

ちなみにゲームなどのアプリに課金をするかどうか聞いたところ、たまにゲームに1,000〜5,000円課金する、という男子が6人中2人いましたが、残りの男子は課金はしていませんでした。最近は課金するとしたらLINEスタンプくらい?といったところで、大きな額の課金はしていないようです。

いかがでしたでしょうか?

今回の動画視聴態度やサブスクに対する感覚からわかったZ世代の特徴は以下の通りです。

●少しでも空き時間があれば動画を観る!

●テレビのリアルタイム視聴は非効率...TVerなどで好きな番組を好きな時に

●動画・音楽コンテンツ配信サービスは積極的に利用しているが、「サブスク」という言葉は浸透していない

SNS、動画コンテンツ、LINE...と、やること・観ることがたくさんあるからこそ、効率性を重視しスキマ時間すらもそれらをこなすことに使います。だからこそ、時間が決められた何かに自分のペースを乱されることは好みません。

また、「テレビは観ない」と言いながら、よくよく聞いていくとインターネット配信でドラマなどのテレビ番組は観ているので、彼らにとってはテレビ番組も動画の1ジャンルに過ぎないという捉え方になっているようです。このような捉え方をする人が社会人になり落ち着く5年後には、テレビはただのキャスト用モニターになっているかもしれませんね。

次回はZ世代男子の美意識についてレポートをまとめる予定です。お楽しみに!

堀

堀 かおり
2014年、電通テック入社。2018年5月より +tech labo の研究員となり、“Z 世代”を軸として開発業務を行っている。Z世代男子に向けてメンズ美容の情報を発信するInstagramアカウント「Boys Beauty」のプロデューサー。