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Z世代の“いま”を定点調査<メンズメイク編>

前回は若年層男子の美容意識やスキンケア習慣について解説しました。彼らはどんなモチベーションで、何のために美容に気を遣っているのか、ご理解いただけたかと思います。スキンケアが日常に定着してきており、もはや特別なことではないということもわかりました。
今回は気になるメンズメイクの実態を探っていきます!

【アンケート】
<調査対象>
15 ~29歳までの男性3531名
<調査実施期間>
2021年7月2日~7月5日
<調査方法>
インターネット調査

「メイクする」は約1割でも「興味あり」は2割以上

前回も掲載しましたが、参考までに「外見を今より良くすること」に対してどの程度関心があるのか、まずはあらためて見ていきます。

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ここでのポイントは以下のとおりです。

・全体的に「外見を今より良くすること」に対する関心は高まっている
・美容に関する2つは「とても関心がある」の割合が昨年に比べて増加
・10代は半数が「美容(顔周り)」に「とても関心がある」と回答

こちらの結果から、世代が若いほど外見を磨くことに関心が高い、ということがわかりました。今回は「美容(顔周り)」の中でも、メイクについて深掘りをしていきます!

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自分でメイクをする人の割合は昨年比でほぼ横ばいでしたが、年代別で見た場合、20代では微増しました。メンズメイク人口はまだ多くはありませんが、着実に増加しています。
今後のメイク意向について聞いてみると、こちらも昨年比でほぼ横ばいですが、20代では「やや興味がある」の割合が増加しました。これらの結果から、メイクについては主に20代で関心・意向が高まっているといえます。

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昨年よりもコロナ前の日常が少し戻ったことも影響しているかもしれませんが、全体的にメイクの頻度が高まっています。特に15-19歳と25-29歳で週1回以上メイクする人の割合が増加しました。


メイク関連アイテムの購入経験では、全体的に化粧下地・ファンデーション・BBクリーム・コンシーラーが昨年比で増加。ベースメイクに対する関心の高さがうかがえます。BBクリームひとつでも印象が変わる、ということがSNSだけでなくテレビなどのメディアを通しても世の中に広まってきたのがひとつの理由であると推察されます。


また、男子にはまだハードルが高いと言われている、アイカラーやチークといったカラーメイクアイテムの購入経験者も増加しました。メンズメイクの入り口にもなっている韓国アイドルメイクではマストアイテムであるため、アイドルメイク需要の高まりも少なからず影響していそうです。

続いて、現在自分ではメイクしていないが、自分でメイクしてみたいと思っている人を対象に、まだメイクを始めていない理由を聞いてみました。

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メイクに関心があってもまだ始めていない理由としては、「お金の余裕がない」と「何を使ったら良いのかわからない」、「やり方・使い方わからない」が同等に多く、これらの項目は昨年比でも増加という結果となりました。「恥ずかしい」という感情よりも、金銭面や知識面といった現実的な問題がハードルとなっている点は興味深いですね。


最近ではドラコス(ドラッグストアコスメ)のプチプラコスメがメイク男子の間でよく使われるようになり、それ以上に手に取るハードルが低い100均コスメも入門アイテムとして広まってきています。こういったところから金銭面のハードルは下がってきているので、あとはいかにユーザーに使い方を教えてあげる機会を増やせるか、情報を届けられるか、といったところがカギになってくるでしょう。

 美容に対する意識や習慣について前回と今回のレポートで深掘りしてきましたが、ポイントをまとめると以下の通りです。

① ほとんどの男子はもう美容が「恥ずかしい」とは思っていない
② 美容に気を遣うのは、「他人の目」よりも自分のため!
③ メイクアイテムで狙うべきメインターゲットは20代

 たった一年でも明らかな美容への関心の高まりが見えましたね。昨年夏以降、メンズ美容やメンズメイクなどがテレビ・雑誌で特集されることが増え、世の中全体でメンズ美容への注目が高まっていますが、それ以上に、ユーザー自身が熱心に自分と向き合って美容に取り組んでいる印象です。若年層がけん引してこれからも変化と成長を続けていくであろうメンズ美容市場から、目が離せません! 今後も我々は動向を追ってまいります。

堀 200×200

堀 かおり
2014年、電通テック入社。2018年5月より +tech labo の研究員となり、“Z 世代”を軸として開発業務を行っている。Z世代男子に向けてメンズ美容の情報を発信するInstagramアカウント「Boys Beauty」のプロデューサー。