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<+tech labo 座談会>メンバーで振り返る2021年、そして2022年に向けて

コロナ禍で個々の暮らしや働き方が大きく変わった2021年。振り返れば、数年前は当たり前だった出社が、いまでは当たり前ではなくなりました。またリアルで行われることが普通だったイベントも、オンライン配信へ移行する機会が増えました。このように良くも悪くも、時代の変化とともに新しい生活様式が浸透し始めているように感じます。

そんな1年を全力で駆け抜けてきた+tech labo。今回はメンバー全員で座談会を開き、それぞれの2021年を振り返ってもらい、2022年の目標について話しました。

+tech laboメンバーそれぞれの2021年を振り返ってみる

――2021年は、皆さんにとってどんな年でしたか?

堀さん(以下、堀):
+tech laboとしては、メンバーがそれぞれのプロジェクトに集中してやり切れた年だったのではないでしょうか。私も2018年から実直に追ってきた「メンズ美容」の市場が盛り上がってきて、いままでやってきたことの意義が確立できた年になりました。もちろん個々で感じ方は異なるでしょうけど、お互いに全力でやり切っていたように感じます。どうでしょうか?

原田さん(以下、原田):確かにそうだね。特に2021年の前半は、個々がそれぞれのプロジェクトに全力で取り組んでいた気がします。ちなみに僕は今年、さまざまな事業に携わらせてもらいました。全社をあげた大きな事業をはじめ、北村さんのプロジェクト「QAir」の開発・実装にも携わることもできました。とにかく場数を踏めた年だったと実感しています。後半は抽象度の高い仕事にたくさん取り組ませていただいたなと。

高木さん(以下、高木):原田さん、すごく幅広く活動していましたよね。僕も助けてもらっていますが、「大変だったんだろうな…」と思いながら聞いていました(笑)。

北村さん(以下、北村):「QAir」の実験ハードウェアの完成は、2021年を振り返る中でもかなり大きい出来事でした。リアルな展示会を開催できて本当に良かったと思っています。原田さん、ありがとうございます。

堀 かおり
2014年、電通テック入社。2018年5月より +tech labo の研究員となり、“Z 世代”を軸として開発業務を行っている。Z世代男子に向けてメンズ美容の情報を発信するInstagramアカウント「Boys Beauty」のプロデューサー。

――北村さんは「QAir」の他に良かったと思えることはありましたか?

北村:
個人的な実感ですが、いままでやりたいと思っていた職能のための勉強が進んだことも良かったと思います。リモートワークが増えたので意外と時間に余裕ができて、画像処理やAIについて勉強する時間が多く取れました。

北村侑大
豊富な紙加工の知識を有し、販促DMや店頭POP、パッケージやペーパークラフトコンテンツの設計、開発に携わる。+tech laboではその経験と開発力を活かし、IoTデバイスの開発、社会実装に取り組む。IoTに限らず、新しい技術によって人体デバイスや生活様式がアップデートされる事を願っているが、アナログな解決策も結構好き。

――では逆に「もっとこうしておけば良かった」「思うようにできなかった」と思うことは?

堀:
私の場合、2021年はBoys BeautyとしてZ世代への理解をもっと深めることと、ビジネスモデルを構築し収益化に挑戦する年でもあったんですが、そのモデルを完成するまでには至れなかった点が反省ですね。

原田:僕は行動力が足りなかったと思っています。そもそも抽象度の高い仕事って、僕のようなジェネラリストの役目なんですが、抽象度を上げるほど「能書きは垂れるけど行動力が伴わない」みたいな感じに見られがちなんです。
そう見られないようにするためには行動力が必要なんですが、高木さんのように行動できませんでした。彼のように、もっと外部と繋がる仕掛け作りを積極的にしていきたいですね。

小山さん(以下、小山):原田さんにはぜひ、ジェネラリストのスペシャリストを目指してほしいな。色々なことが専門化している中で、俯瞰して幅広く見れる人や横軸につなげられる人はとても貴重な存在になると思うので

小山 貢弘
2007年、電通テック入社。様々な業種の小売・流通業のプロモーション・マーケティング業務に従事。小売マーケティングのスペシャリストとして外部講師なども担当。+tech labo主任研究員として「ニューリテール」「感覚化」をキーワードに研究を重ねる。2021年1月から販促DX室 リテールDX企画推進部に所属。

――小山さんは、今年1年をどう振り返りましたか?

小山:
私は今年、プランナー兼若手育成というポジションでも活動していましたが、世の中が大きく変化し、かつ複雑化している時代に合わせて、どのように若い子を育てていけばいいのかという壁にぶつかった1年でした。いままで経験がなかったことなので本当に大変でした…。

遊佐さん(以下、遊佐):本当にここ数年で世の中は大きく変わりましたよね。2021年は、それが加速度的に顕在化した。「これまでと同じやり方だと先に進めるのは難しいな」と実感することも多い年でした。もっと学んで、実践して、色んな事に挑戦することが益々必要だということを痛感してます。

遊佐 智明
2001年、電通テック入社。大手飲料メーカーのプロモーションを中心に活動。2018年4月より +tech labo 所長。OMO 時代の購買行動デザインをテーマ に、プロモーションにテクノロジーをインストールし、 人々にしあわせを届けるべく奮闘中。


――他の方も、世の中が大きく変化したと感じますか?

高木:
感じますね。堀さんのBoys Beautyが良い例なんじゃないでしょうか。少し前までメンズ美容分野の需要はとても小さかったですよね。

堀:確かに。あと変化したという意味では、コロナ禍でリアルな体験が減り流行が生まれにくくなったことで、いままで把握できていたZ世代の行動や思考も見えづらくなったのも変化なのかなと思います。ネット上で流行候補が分散され過ぎて、流行そのものが多様化しちゃっているので。

高木:価値観の多様化はかなり進みましたよね。それこそZ世代も「Z世代」という括りができなくなっているんじゃないかな。世代括りというより、趣味、価値観、興味で括られているような気がします。マーケティングする側からしたら、これほど難易度の高いことはないですよね。

――北村さんは、どんな大きな変化を感じましたか?

北村:
変化というより、2021年は情報発信における既存プレイヤーと新規プレイヤー候補の戦いの1年だったなと感じました。もともとコロナ前からYouTubeや他メディアの突出によってマスメディアの特権性は薄れていたんだけど、コロナ禍になりUber Eatsみたいな物流分野にもその特権性の争いの波がきているなと。

原田:確かに。この1~2年でUberと同じようなサービスを提供するところがかなり増えましたよね。正直そこら辺の戦いはどこが生き残るのか予想がつきませんね。

北村:そうなんです。しかも私は、その波がWeb業界にもきているとも思っています。中央がすべてのデータを吸い上げるようなインターネット環境から、それを既存プレーヤーとした場合の新規プレーヤーが台頭してくることが考えられます。例えばプライバシーにすごく配慮された検索エンジンが出てくるとか。今後は、Web知識のない人にもわかりやすい形でこの争いが繰り広げられていくんじゃないかな。原田さんは2021年の世の中をどう感じましたか?

原田:世界全体が正体不明のものとの戦いを強いられているので、仕方ない部分もあるんですが……後出しじゃんけんのような評論が一気に増えたような気がします。結果を見て「ほら、○○だったじゃん。だから○○にしておけば良かったんだ」みたいな。

高木:確かにそれは増えたかもしれないですね…。

原田:もちろん結果を評価することは大事です。ただ、もっとプロセスを評価する姿勢があってもいいんじゃないかなとは思いましたね。結果だけに捉われていると、新しいことに挑戦する際の妨げになる気がするんです。トライを躊躇してしまう人や企業が増えるんじゃないかな。

高木:結果論だけに固執すると守りの施策ばかりになって怖いですよね。思考が守りになっていくのはどこかつまらない気がします。

原田:政治に関しては結果ありきだから難しい部分もありますけど、民間企業や我々のような会社はもっとトライを重視してもらえると嬉しいですね!

高木 僚平
サイバーエージェントでBtoCサービスのデータ分析やプロダクトマーケティングに従事。2016年に電通デジタルへ移り、グロースハックプロジェクトを立ち上げる。2019年より+tech laboに出向し、ライフハックをテーマとした新規事業開発に携わる。

+tech laboのメンバーが掲げる2022年の目標

――皆さんの2022年の目標を教えてください。

堀:
+tech laboとしては、メンバー皆で足並みを揃えて何かをやっていきたいです。さっきも言ったように2021年前半は個々のプロジェクトに集中していましたが、後半は徐々に一緒に動くことも増えてきたので、それを2022年も続けていきたいですね。

遊佐:そうだね。個々で何かをやり通すのも大事だけど、皆で繋がって1つのものを作り上げていくことや、その土壌づくりはとても大事なことだと思っているので、2022年はチャレンジしていきたいね。

堀:個人の目標としては、Z世代へのアプローチ方法に長けた存在になりたいです。今年の活動がある程度評価をしてもらえたこともあって、少なくとも若者に対して知見を深めるための型を導き出せたという実感は得ています。
この実感を無駄にしないためにも、より解像度を上げたい。彼らへの具体的なアプローチ方法や、彼らのニーズの捉え方などをメソッド化したい思います。

原田:個人的な目標としては、高木さんのようにもっと積極的になることですね。小山さんがおっしゃったように、ジェネラリストのスペシャリストを目指すのもありだと思います。+tech laboの目標としては、外部やグループ会社からの見られ方にもこだわって何とか形にしたいですね。そのためにも、2022年は「どのように見られたいか」を常に頭に置きながら活動していければと考えています。小山さんはどうですか?

原田 裕生
2009年、電通テック入社。プランニングから生産管理まで、プロモーション領域に関してはフルスタックで関わる。+tech labo では IoT デバイスを軸にしたサービス開発に取り組みながら、領域に縛られず社外含めて積極的に活動している。

小山:2022年は2021年よりも、もっと色々なことが複雑になっていくと思っていて、それによって仕事としてやらなきゃいけないことも増えるだろうと感じています。+tech laboのみならず、企業としてはその流れに対応できる仕組み、体制を反映させていく必要があるんじゃないでしょうか。僕個人としては、引き続き学びながら若手を育てていくことを目標にします。

北村:私は、自分の立ち位置やスキルセットを固め直して、“個”をしっかり確立させる1年にしたいです。いまは乱の時代だと思っているので、個をしっかり持たないと柳のように流されるだけになってしまう。そういう意味では、スキルを磨く時間確保のためにもテレワークが推進されてほしいです。心から願っています(笑)。

遊佐:2022年はラボのステートメントに立ち返って、考えて、つくって、みんなに使ってもらえるもの、つまり売れるものをつくる、ということを意識して活動を進めたいですね。そのために、「場づくり」を個人の活動のテーマにしようと考えています。新しいサービスを生み出す力を個々でも活かしながら、チームとしても成果を形にしたい。それぞれが経験としてたくわえてきたことをバネに、来年も学び、実践しながら、+tech laboの存在価値を高めていきたいですね。今年も1年間、本当におつかれさまでした!

2021年もあとわずか。今年1年、+tech laboのnoteをお読みいただきありがとうございました!2022年もよろしくお願いいたします!