生理痛(月経痛)を知って痛みをやわらげよう
「生理痛がつらくてベッドから動けない」
「ひどい月経痛で仕事や家事に集中できない」
毎月のつらい生理痛(月経痛)に悩まされていませんか?
実は日々たまった疲労は、生理痛を悪化させる要因のひとつ。
また生理痛によるストレスでさらに疲労を深める悪循環を生み出します。
正しい疲労ケアで生理痛を緩和することが可能です。
この記事では、豊富な経験を持つ漢方薬剤師が以下の内容を紹介します。
生理痛の原因と悪化する理由
疲労と生理痛の関係性
生理痛の正体を知ることで、対処することもできます。
疲労は生理痛を悪化させる!
積み重なった疲労は大きなストレスとなり、女性ホルモンのバランスを崩します。
女性ホルモンの乱れは生理痛を強める原因に。
この章では生理痛の原因と、悪化する理由について解説します。
生理痛の原因はプロスタグランジン!
女性ホルモンには2種類あり、その特徴は次のとおりです。
エストロゲン(卵胞ホルモン):妊娠の準備をするホルモン
プロゲステロン(黄体ホルモン):妊娠の継続をサポートするホルモン
これら2つの女性ホルモンのバランスによって、女性の体はさまざまな影響を受けます。[1]
女性ホルモンの作用によって子宮内膜は厚くなり、いざ受精卵がやってきたときに着床できるよう準備をします。
妊娠が成立しなかった場合、この子宮内膜がはがれ落ちて体の外に排出されるのが月経です。
月経中はプロスタグランジンという生理活性物質が分泌されます。
プロスタグランジンは子宮を収縮させ、はがれ落ちた子宮内膜と血液を経血として体の外に押し出す働きをします。
またプロスタグランジンは別名「痛みの元」とも呼ばれる発痛物質です。
プロスタグランジンの分泌量が多いと、子宮が過剰に収縮し陣痛のような痛みを感じることも。
この痛みを生理痛もしくは月経痛と呼びます。
厚生労働省が行った調査では、月経痛(生理痛)の程度が「かなりひどい」「ひどい」と答えた人は全体の30%近くに上りました。[2]
多くの女性にとって生理痛は、大きな問題であることがわかります。
では、ひどい生理痛を引き起こす原因はどのようなものがあるのでしょうか。
生理痛を悪化させる要因とは
生理痛を悪化させる要因はさまざまです。
体の冷えによる血行不良
疲労
ストレス
子宮内膜症や子宮筋腫などの病気 など
中でも疲労やストレスは現代人と切っても切り離せない関係です。
ある製薬メーカーで入社1~3年目の女性400人に対して行った研究があります。[3]
生理痛の程度を入社前後で比べると、約45%の女性が「かなり重くなった」「やや重くなった」と回答しました。
さらに1年目、2年目そして3年目と進むにつれて、生理痛が重くなったと感じる女性が多くなる結果に。
生理痛が重くなったと答えた人に原因をたずねると、ストレスが約7割、忙しさが約4割という回答でした。
日々のストレスや疲れは、生理痛を悪化させる大きな要因とわかります。
また生活に支障が出るほどの生理痛は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が隠れていることもあります。
早めに婦人科を受診して、専門家に相談しましょう。
疲労による自律神経の乱れが生理痛の原因に
女性ホルモンは、脳の視床下部から脳下垂体、そして卵巣へと指令が伝えられて分泌されます。
また、自律神経をコントロールしているのも視床下部です。
よって、自律神経が乱れると、女性ホルモンのバランスにも影響を及ぼしてしまいます。
自律神経を乱す原因のひとつが慢性的な疲労です。
疲労と生理痛の悪循環を断ち切るには
慢性的な疲労は自律神経を乱し、生理痛の悪化へとつながります。
一方で、生理痛による精神的・肉体的ストレスもさらなる疲労を引き起こす原因に。
疲労と自律神経についてはこちらの記事で解説しています。
>>自然治癒力を高めて自律神経を整えよう!
疲労と生理痛はお互いを強めあう悪循環となってしまうのです。
この悪循環を断ち切るためにも、体の内側から疲労ケアを行って生理痛を改善しましょう。
生理痛を知ってつらい痛みを改善しよう
生理痛の原因と、疲労との関わりを紹介しました。
生理痛の原因はプロスタグランジンという物質です。
また、以下の原因も生理痛を強めてしまいます。
体の冷えによる血行不良
疲労
ストレス
子宮内膜症や子宮筋腫などの病気 など
原因を知って、生理痛をやわらげる対策をしましょう。
【参照】
[1]国立スポーツ科学センター スポーツ医科学最前線 第16回 女性アスリートのコンディショニング-月経との関わり方
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