【尿トラブル】多くの女性が悩む膀胱炎、繰り返さないために予防対策を!
「今トイレに行ったばかりなのにすっきりしない」「長時間車に乗るとき、急にトイレに行きたくならないか心配」などの尿トラブルに悩んでいる女性は多いのではないでしょうか。
何度もトイレに行きたくなる、行く回数が多い状態を「頻尿」といいます。一般的には「朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上」(日本泌尿器科学会HPより)を頻尿と定義しています。
中でも女性は男性に比べ、尿トラブルが起こりやすく膀胱炎になりやすい傾向にあります。
ムズムズすっきりしない上、日常生活への影響も大きい尿トラブル。ここでは女性を悩ます膀胱炎の原因と治療法、そして治った後に繰り返さないための予防方法について解説します。
膀胱炎とは?女性が感染しやすい理由
膀胱は、袋のような形をしている臓器です。筋肉でできているため伸び縮みし、腎臓で作られた「尿」をためておくことができるのです。膀胱にためられた尿は尿道という通路から体外へ排出されます。
この膀胱に細菌が入り込んで炎症を起こしている状態が膀胱炎と呼ばれる感染症です。年代を問わず多くの女性を悩ませ、繰り返しやすいことでも知られています。
主な症状は尿をするときの痛み(排尿痛)や尿が残っているような不快感(残尿感)、頻尿など。血尿が出る場合もあります。
女性の方が圧倒的に感染しやすい原因は次のような理由が挙げられます。
1.女性は男性に比べると尿道が短く、細菌が入りやすい
2.肛門と尿道との距離が近いため、大腸菌が入りやすい
3.膣に細菌がたくさん存在する
4.女性ホルモン(エストロゲン)が減少する閉経後は、尿道の周りの組織が薄くなるため細菌が入りやすい
膀胱炎の治療法
膀胱炎はそのままにしておくと悪化し、腎臓に尿をためる腎盂(じんう)周辺も細菌に感染してしまう場合もあるため、ひどくなる前に対処する必要があります。恥ずかしいから、と我慢してしまう方も多いですが、病院を早めに受診しましょう。
膀胱炎を治すためにはどのような治療を行うのでしょうか。
治療には抗生物質などの抗菌薬を
膀胱炎は菌に感染したことが原因で発症するため、抗生物質などの抗菌薬を使って治療します。病院へ行き問診や尿検査を受けるようにしましょう。数日間薬を服用すると、ほぼ完治します。
しかし症状が改善しても膀胱内に細菌が残っている場合、体調が悪くなって体の抵抗力が落ちたとき膀胱炎の症状が再発するおそれがあるので注意が必要です。処方された抗菌薬をしっかり飲みきることが大切です。
治療後の尿トラブルには漢方薬がおすすめ
膀胱炎は抗菌薬を使用すると、痛みの症状は落ち着きます。しかし細菌感染が落ち着いても、頻尿、残尿感などの尿トラブルは治まらない、ということもよくあります。
そんな時は、さまざまな排尿トラブルに効果を発揮する漢方薬、猪苓湯(ちょれいとう)の服用をおすすめします。猪苓湯は、尿量を増やして悪いものを洗い流す力を高める作用があり、膀胱のトラブルを改善します。比較的体質にこだわらずに使うことができる漢方薬です。(抗菌薬などを服用中の方は、医師に相談してからの服用をおすすめします)。
膀胱炎を繰り返さないための予防対策
膀胱炎や尿トラブルは繰り返してしまうケースが多く見られます。再発させないために普段から気をつけたいポイントをご紹介します。
デリケートゾーンを清潔に
膀胱に細菌が侵入し、増殖することが膀胱炎の原因。
デリケートゾーンを清潔に保ち、細菌が増殖しないようにすることが大切です。
排便後は前から後ろに拭くようにし、尿道口に大腸菌が入り込まないようにしましょう。生理用ナプキンやおりものシートなどはこまめに換えるよう心がけましょう。
また、ビデやウォシュレットが原因で膀胱炎になることがあるため、使用は控えめにしましょう。
トイレを我慢しない
尿意があったら我慢しないようにしましょう。膀胱に細菌が入ったとしても、膀胱内に尿がたまっていなければ細菌の増殖を防ぐことが可能だからです。
排尿することによって菌を体外へ排出する役割も果たします。水分をこまめに摂り、こまめにトイレにいきましょう。
性行為の際は清潔に
性行為も尿道に細菌が付着し、侵入する要因になります。行為の前にシャワーを浴びて清潔にしておくことや、終わった後早めにトイレに行って排尿することで、細菌の侵入を防ぐことができます。
ストレスと睡眠不足に注意
疲れやストレスをためないようにする事も膀胱炎を再発させないためにとても重要です。睡眠不足の人も要注意。疲れやストレスでホルモンのバランスが崩れると、感染に対する免疫機能が低下します。免疫機能が低下すると細菌等が繁殖しやすくなるため、膀胱炎になりやすくなってしまいます。
日頃から心身の健康管理を心がけましょう。
デリケートゾーンを保護する
女性は閉経後、ホルモンバランスが大きく変化します。エストロゲンの不足によって膣や尿道の粘膜が薄くなり表面の細菌が増加し、これが尿トラブルを引き起こします。医師に相談し、エストロゲンのクリーム剤などを使用して、デリケートゾーンを保護するようにしましょう。
膀胱炎に対抗できる身体づくりをしよう
女性を悩ませる尿トラブルを引き起こす膀胱炎の原因と治し方、そして治った後に繰り返さないための予防方法についてご紹介しました。
膀胱炎の予防には、細菌感染を防ぐためにデリケートゾーンを清潔に保ち、体が本来持つ抵抗力を高めておくために、心身共に健康でいることが大切です。ホルモンバランスが崩れてきたと感じたら、医師に相談しましょう。
膀胱炎になりにくい身体をつくるためにまずは生活習慣を見直し、すこやかな毎日を過ごすことを心がけましょう。