「これからのコーポレートサイト制作」をCMSの変遷から考えてみる
プラスジャムでお請けするプロジェクトで多いジャンルがコーポレートサイト制作です。「企業の顔として」「名刺代わりに」「24時間働く営業マン」とよく言われるコーポレートサイト。インターネットが人々の生活の中で当たり前になったからこそ、ネット上に企業情報がないと信頼を得られなくなりました。
この記事では、コーポレートサイト制作・運営は今後どうあるべきか、弊社代表の三ツ石が最近話していたことをまとめました。
ウェブサイトを更新・管理するCMS(コンテンツマネジメントシステム)の歴史を振り返りながら、プラスジャムが目指す”これからのコーポレートサイト制作”についてお伝えしたいと思います。
CGIで機能追加を実現していた頃
プラスジャムのマネージャーズは40歳前後。90年代終わり〜2000年代初頭に20代を過ごし、インターネットの普及と一緒に歩んできた世代です。
私たちが最初に作ったウェブサイトはHTMLで作るシンプルな構造でした。続いてデザインをコントロールするためのCSSが登場します。
この頃、企業もインターネットの世界にフィールドを広げていこう!と意識が高まっていきます。どうにかサイト運営を便利にしたい、そんな要望に答えるカタチで作られたのがCGIプログラミングによるシステムです。これにより特定の項目に限った更新・運営作業が可能になりました。
Movable Typeの登場でCMSが一般化
CGIで作った頃がWeb1.0とするなら、SNSやCMSの隆盛がweb2.0です。
CMSとはサイトのコンテンツ(ページ)をまるごと管理できるシステム(コンテンツマネジメントシステム)。その代表格として当時のシェアを獲得したのがMovable Typeです。
管理画面でサイト全体を制御できる
WYSIWYG(ウィジウィグ)で文章が書ける(よく「ワードみたいに簡単に太字にしたり文字色の変更もできるんですよ」とご説明してました。)
今は当たり前ですが、当時は実に画期的でした!
Movable Typeは管理画面で作ったページを静的なhtmlとして出力するので、HTMLを書いていた人たちにも受け入れられやすかった気がします。
WordPressで作ることが「当たり前」に
WordPressはオープンソースのCMSです。無料で使えることで急速にシェアを伸ばしていき”世界標準”と呼ばれるまでになりました。
WordPressの特徴は、動的制御。つまり、サイト全体をWordPressに組み込みます。更新頻度の高いページの管理・更新機能を作りやすい一方で、ほぼ更新しないページも管理画面に内包する構造です。結局、更新作業は制作スキルがないと難しい…となってしまうこともあります。
制作会社側の実態としても、この組み込み作業に一定期間設ける前提でスケジュールを組んでいます。
WordPressのメリットは、簡単に機能拡張できるプラグインが豊富なこと。世界中の人たちが使っているからこそ、イチからプログラム開発しなくても使いたい機能を備えたプラグインがあれば機能追加を簡単に実現できます。
一方、弱点として挙げられるのは、セキュリティ脆弱性です。
たくさんのサイトが使っているからこそ、悪意のある攻撃の対象になるリスクが高いのです。バージョンアップやセキュリティパッチの適用など、常に安全性の高い状態を保つような取り組みも大切です。
これからはヘッドレスCMSも選択肢に
そして近年、これまでと異なるCMSの形である「ヘッドレスCMS」が注目されています。
【ヘッド=表示する画面 】が【レス=無い】CMSとはなにか。
Movable TypeもWordPressもサーバーにインストールすることで動くもので(※)、フロント画面(テンプレート)+管理画面が同一環境にあるCMS。
※現在どちらもクラウド版サービスがあります。
対してヘッドレスCMSは、管理画面が別にあり(主にクラウド上)、フロント画面にAPIを使って呼び出すのが特徴で、制作〜運営におけるメリットは以下のとおりです。
セキュリティが高い状態でサイトを運営できる
必要なところだけCMSを使うので、組み込み作業コストが圧倒的に減る
シンプルな管理画面で使いやすい
表示スピードが快速!(webバイタルが高くサイトランク判定に有利)
データを集約管理&さまざまな表示面(サイト/アプリなど)に対応
一方で、以下の点もポイントになります。
CMS月額利用料がかかる(無料で使える範囲に制限あり)
向こう数年間のサイト運営方針案があると良い
CMSを組み込まない箇所の更新には専門スキルが必要
これらを踏まえて、なんでもかんでもヘッドレスCMSがいいですよ!というわけではなく、サイト運営にフィットするCMSを選定する、という初期(ご相談〜要件定義)フェーズがとても重要だと考えています。
プラスジャムでは管理画面の使いやすさから、日本製のmicroCMSを利用しています。
[まとめ]一周回って「特化型機能」に戻ってきた
20年前にCGIで実現していた機能実装。風呂敷を広げてすべてを包み込むようになったMovable TypeとWordPress。そして、再び”ここだけ管理できれば十分”というシンプルな考え方に基づいた実装方法が根付きつつあります。
20年前と大きく違うのは、ウェブサイトの制作技術も飛躍的に進歩したということです。サーバー、マークアップ言語、フレームワークなど、いろんなものの集合体で構成されるウェブサイト。ブラウザに表示されるページの裏側には様々な技術が使われています。
これからコーポレートサイトを制作/リニューアルをお考えの企業さまは、是非「どんな風に見せたいか」だけでなく「どんな風に運営したいか」も踏まえてお話させていただければと思います。
プラスジャムは、じっくりヒアリングをした上で最適と思うCMSで構築するプランをご提案させていただきます。御社のかなえたいこと、お困りごとをお気軽にご相談ください。
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