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Google Chromeのサードパーティcookieサポート廃止→撤回で何が起こる?

Googleのサードパーティcookieのサポート廃止(最後に話しますが2024年7月にGoogleは廃止を撤回しました)というニュースを受けて、改めてサードパーティcookieとは何か?また廃止の理由や影響、対策についてお話ししたいと思います。


サードパーティcookieとは?

クッキーって美味しいですよね。このクッキーの話ではないですが…

Cookieは食べて美味しいお菓子!の方ではなく、Webサイトへの訪問時にユーザのブラウザに保存されるID・パスワードやサイトの訪問履歴といった情報をいい、cookieを利用することで、ユーザはメールアドレスの再入力などの手間を省くことができ、事業者側は効率的な広告配信などを行うことができます。

サードパーティは元々は「第三者」という意味で、インターネット業界ではWebサイト上で広告を配信する事業者等をいいます。これに対し、サイトを提供・運営する事業者をファーストパーティといいます。
この第三者である広告配信事業者などが管理するcookieがサードパーティcookieで、サイトの運営元が管理するcookieがファーストパーティcookieです。
サードパーティcookieには複数のサイトを横断しての行動履歴等が、ファーストパーティcookieにはサイトの訪問履歴やログインID・パスワード、ECサイトであればカートに追加した商品情報などが含まれています。

Cookieについての詳細は、当社でも過去にご紹介しておりますので、併せてお読み頂けますと嬉しいです!

サードパーティcookieへの規制の背景とは?

規制されるには理由がある

そんな一見便利に思えるものが、なぜ規制対象となっているのでしょうか?

前章で「広告の配信」に触れましたが、例えば「ある化粧品のサイトを訪問したら、その化粧品のバナーや広告がたくさん表示されるようになった」という経験はありませんか?
これはリターゲティング広告と言って、ユーザの行動履歴を追跡し配信されていますが、こうした広告に対し、不快感を持ったりプライバシーを侵害されたと感じるケースが増えました。
個人情報保護の機運が高まる中、国内では改正個人情報保護法(2022年4月施行)、改正電気通信事業法(2023年6月施行)で、サードパーティーcookieを利用する場合はユーザーに通知し、本人の同意を得ることが義務付けられるようになりました。サイト訪問時に、『cookieの利用に同意しますか?』という表示がされるようになったのはこのためですね。

そして海外での動きとして、Apple社のWebブラウザ「Safari」がトラッキング防止機能を組み込み、2020年にサードパーティcookieのブロックを開始。そして今回、世界で60%を超えるシェアを持つWebブラウザ、Google社の Chromeもサードパーティcookieの利用を廃止することに。

どんな影響があるの?

事業者とユーザ、それぞれどんな変化が?

ではこれによって、どのような影響があるのでしょうか?
事業者側にとって最も大きな影響は、「サードパーティcookieを利用したリターゲティング広告の配信ができなくなる」ということでしょう。
サードパーティcookieは、ユーザのウェブ上での動き(サイト訪問履歴や検索履歴など)をもとに興味や関心を類推し、顕在的・潜在的な需要を持っていると思われるユーザに広告を配信するために利用されてきました。
ユーザの立場から見れば、自分の趣味嗜好にあった広告が配信され、新たな商品やサービス、情報との出会いが減る可能性があります。ファーストパーティcookieに対する規制は現在のところはありませんので、ID・パスワードや、フォームの入力内容の記録が残る機能は継続されます。

事業者側はどんな対策が必要になる?

方向転換が必要です!

このように、サードパーティcookieの規制に伴い、ウェブでの広告施策に大きな変化が現れます。
この変化への対策として、 

①LP・サイトの改善によりユーザの離脱を防ぐ
リターゲティング広告は主に、一度サイトに訪問したが離脱したユーザに向けて配信されるものですので、コンテンツの改善等、サイト内容を見直し、離脱を防ぎましょう。場合によってはメルマガ・LINEなど囲い込みの施策を強化するのも効果的です。

②コンテクスチュアル広告やSNS広告などの代替施策を行う
ユーザが閲覧しているページに関連性の高い業種・サービスの広告が表示されるコンテクスチュアル広告や、より精度の高いセグメントが可能なSNS広告は、リターゲティング広告の代替施策として再注目されています。

③ファーストパーティデータの活用力を高める
自社サイトやアプリから収集したユーザデータ、購買履歴、アンケートデータなど、自社で許可を得て収集したデータであれば、もちろん活用することができます。こうしたファーストパーティデータを利用した広告媒体もありますし、自社のマーケティング力を高めて活用するという手段もあります。

といったものがあります。

Googleがサードパーティcookieの廃止を撤回

2024年7月に、Googleはサードパーティcookieーの廃止を撤回し、ユーザーが選択できる方法に切り替える、との声明を発表しました。しかし、これにより「サードパーティcookieが今後もこれまで通り使える」ということなのでしょうか?

・プライバシーサンドボックスの初期テストにおいて、一定の成果を確認。
・移行には多大な作業と影響があると認識。
・サードパーティcookie廃止ではなくユーザーが選択できるアプローチを。
・個人情報の保護については引き続き代替手段を持つことが重要

https://privacysandbox.com/news/privacy-sandbox-update/より抜粋、意訳

このように、確かに廃止は撤回しているので、確かにサードパーティーcookiは当面も使用はできるのでしょうが、そもそも今回の動きの背景には、個人情報の保護があります。その重要性が失われることはないと考えられますので、「クッキーレスへの対策も継続」していくというのが今後の方向性としては望ましいのではないでしょうか。

プラスジャムではLP・サイトの制作や改善、各種運用型広告の設計・運用、マーケティング支援など、サードパーティcookieに代替する対策を行うことができます。現在リターゲティング広告をメインに活用しており、対策を講じたいという事業者様、ぜひ当社にご相談ください。

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[今回の記事担当] ディレクター 伊藤
2024年入社。総合広告代理店出身のWEBディレクターです。
WEB以外のお話も投稿できたらと思ってます。