赤湯温泉 森の湯 宿泊記
「どうせ仙台に行くなら、ついでにどこか東北旅行したい」と思ったはいいものの、特別に見たい観光地があるわけでもなく、紅葉に興味があるわけでもない。となると、とりあえず"温泉"や"何か有名なものを食べる"のが目的になってくる。
ということで今回は、温泉に入って米沢牛を食べてゆっくりしよう、を目的に赤湯温泉へ。本当はもっと米沢近郊で探していたのだが、うかうかしているうちに気になっていた宿が埋まってしまった。1人で泊まれて、かつ気兼ねなくのんびりできそうな宿を探すのは、なかなか難しいのだ。
赤湯駅からスタート。チェックインの予定時間まで時間があったので、駅から歩くことにした。
が、これがなかなかの苦行だった。最近整備されたであろう、ひたすらまっすぐな道。車社会なので(?)平日昼間に歩いている人はいない。商店はちょこちょこあるけれど旅行者が興味をそそられる類のものでもない。正直言って、距離や歩いた時間以上に長く感じられる道のりだった。
駅から徒歩25~30分くらいで宿に到着。平坦な道なので元気な人なら歩けるけれど、まあタクシーが最適解だと思う。
ロビーには小さなラウンジがあり、そこでウエルカムドリンクの柚子茶をいただきながらチェックイン(ヘッダー画像)。
部屋はスタンダードな和室。部屋ごとに名前がついていて、私は"べにばな"に宿泊。
こういう宿は絶対浴衣だろうと思って寝間着を持ってきていた(浴衣で寝るのが苦手)ので、上下分かれた作務衣なのは嬉しい誤算だった。
部屋のお風呂も温泉だというので、大浴場で他人と一緒になるのを避けるために部屋のお風呂で済ますことも考えていた。が、いざ足を踏み入れてみると、思った以上に"古いお風呂"という感じが否めず……。結局使うことはなかった。
大浴場は半露天の檜風呂と内風呂の2つで、それぞれ別の場所にある。口コミを見ると「移動しなきゃいけないのが面倒」というのが大勢のようだが、個人的には貸切になる確率が上がるのでこっちのほうがいい(笑)。実際、3回入って誰にもかち合わなかった。
お湯は無色透明で、ほんのり硫黄の香り。ぬめりはほぼなかった。温度はそこまで熱くなかったけれど、浸かっているとすぐに体が温まるので結構ぽかぽかになる。
どうやら洗い場のシャワーもお湯は温泉らしく、硫黄の香りがする。何ならシャワーの方が硫黄の香りが強かったような……?
食事はプライベートダイニング、要するに個室。部屋と同じ名前のついた個室で、夜も朝も食べるようになっている。
米沢牛、口当たりがすごく滑らかなお肉だった。ただ、味はもっとガツンと肉の味がする方が好き。味<食感という印象。薬味は塩で食べるのが一番美味しかった。
いわゆる芋煮をちゃんと食べたのは多分初めて。ちょっと寒くなってきた時期にほっこりする温かさで、一口目で幸せ、という感じ。そりゃ外でみんなで食べたら美味しいわけだ。
さすがは旅館の夕食なので、それなりにお腹いっぱいになるだけの量はあった。炊き込みご飯は結局この写真の分しか食べられなかった。もっとお肉を食べたかった気持ちはあるけれど、専門店でもないし、芋煮も美味しかったしまあいいか。
東京と同じ装備しかしていなかったので、翌朝は少し寒かった。とはいえ、暖かい布団の中と顔に当たる冷たい空気のギャップは結構好きだったりする。
温泉に入って体を温めてから朝食へ。
朝食後は、ラウンジのコーヒーをもらって部屋で一息ついてからチェックアウト。帰りもまた例によって駅まで歩いたのだが、しんどいと分かっているだけ行きよりは気持ちが楽だった(それでも25分かかることに変わりはないのだが)。
部屋数も少なく、お風呂も2ヶ所あって食事も個室ということで、他のお客さんに会う機会が少なかったのは1人客としてはありがたかった。夕食を米沢牛にしただけ値段が高くなってしまい、結果として値段の割にはもう一押しほしい感じだったが、普通の食事なら悪くないと思う。
これは余談だが、廊下に『天地人』のポスターが何枚も貼ってあった。何年前だよと思いつつも、確かにこの辺りの地域かと一発で分かるから、大河ドラマが地元に与える影響って大きいんだな、と感心したりもした。
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