見出し画像

第3部 Vtuber/Vライバー論:キズナアイという「存在」(12)

12.「分人」から「複人」へ(2):『本心』(平野,2021)における「複人」としての「分人」

となると平野(2012)の「一人の人間の中の分人は、どこかで浸透し合うべきなのだろうか。それとも完全に切り離されたものなのだろうか」という問いは「「複人」としての「私」はそれぞれの複人とどう関係性、態度を構築していくか」という問いへと置き換えられるであろう。そして事実、平野の現時点での最新作である『本心』(2022)はそれをテーマとしていると見ることもできる小説である。『本心』特設サイト(https://k-hirano.com/honshin)から「あらすじ」を引用しよう。

ここから先は

1,797字
全5部、75本の記事のそれなりの大作ですが、お値段はすべてセットで500円とお得になっています。

主に2022年から2023年3月頃までに書いたSF、アニメ、アバター(Vチューバー)、VR、メタバースについての論考をまとめました。古くな…

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?