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アマゾンプライムお薦めビデオ② 97:ワルい時の渡哲也がここにいる!『新宿アウトロー ぶっ飛ばせ』

本日お薦めする映画はこちら、藤田敏八監督、渡哲也主演の快作(見ていて気持ちいいという意味での快楽作)『新宿アウトロー ぶっ飛ばせ』です。

この映画、とにかくかっこいい!当時野良猫ロックシリーズを手掛けていた藤田敏八監督が、渡哲也、原田芳雄、梶芽衣子、成田三樹夫、沖雅也といった豪華俳優人たちを使い、最高の娯楽作に仕上げています。この映画の公開は1970年ということで日活としても末期で路線に迷っていた頃でしょう。事実、この時期の渡哲也氏は、石原裕次郎の跡を継ぐ青春ハンサムスター路線と、空手部出身ということもあり、暴力、アウトロー路線の二つを股にかけて活躍います。そして言わずもがなこちらは、暴力、アウトロー路線の代表作の一つです。藤田敏八監督であり、原田芳雄、梶芽衣子が出ているということからも分かるように日活映画と言うよりは東映映画の匂いがプンプンします。というよりも後の東映がこの時期の日活のアウトロー路線を引き継いだというのが正しいのでしょうが。

話を渡氏に戻すと、このワルの路線をもう少し続けて欲しかったのですが、どちらかというとその路線は実弟である渡瀬恒彦氏に譲り、本人は石原プロ入りし、映画界からテレビ界へとその活躍の場を移していきます。その意味でも、この時期のワルの渡氏の映画は貴重なのですが、しかし、あくまで警察という肩書を名乗っているだけで、西部警察においてもグラサンに角刈りでショットガンをぶっ放す渡哲也氏にはやはりワルが似合います。そう、この人は基本的にはやはりワル側のひとなのです。だからこその人気ですし、だからこそ後輩が慕い軍団を引き連れることができるのです。そしてその後輩も舘ひろし氏はじめ、基本的にはワルぞろいです。そしてそのワルさこそが石原裕次郎亡き後の後期石原軍団の魅力なのです(というか石原裕次郎氏もその意味では基本的にはワル=不良でしたが)。

と、とにかくワルの渡哲也氏を見逃してはいけない、という意味で今回この映画をお勧めしました。もちろん渡氏だけではなく、この時代に既にファッションや髪形を含めて自身のキャラクター像を確立した原田芳雄氏もかっこいいですし、我らが永遠のスター梶芽衣子さんの魅力も十分にでています。また当時はまだ新人の沖雅也もかっこいい(まさにハンサム!)ですし、藤田監督ならではのアクション性と芸術性を兼ね備えた演出が光ります。そして何と言っても成田三樹夫氏。この人が出ているだけで映画が締まります。渡氏が熱いワルなら、こちらは冷たいワルです。そして冷たいワルのほうが実は怖いのです。

と、とにかく見ごたえ抜群な映画です。この手の映画が相次いで公開されていた時代があったとは何と良い時代だったのでしょうか。その古き良き時代の末期の作品に是非触れてみてください。





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