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Amazonプライムビデオお薦め 33 『ラスト・ムービースター』

本日お薦めする映画はこちら、あの、70年代のセックスシンボルである、バート・レイノルズの遺作となった『ラスト・ムービースター』です。

いわゆる「老優モノ」としては、このブログでもイーストウッドやレッドフォードを取り上げてきましたが、バート・レイノルズは確かに一時代を築いたスター、ですが、どちらかというと先にも述べたように、男性性としてのセックスシンボルのイメージが強く、演技派、名優というイメージとはちょっと違います(実際にこの映画の中でも比べられます)。だからこそこの映画で演じている、忘れられてしまったスター、しかし、熱狂的なファンは今でもいる、人によっては彼を「リビング・レジェンド」と読ぶ人もいる(映画の中で実際にそう言われるシーンがあります)ようなスターを演じるにはぴったりの人物でもあります。俳優としてのプライドがあるでしょうから(しかも歳をとってからそのプライドを捨てることは非常に難しい)、よくこの役を受けてくれたと思いますし、その勇気に感謝するとともに、映画には感動します。新しい側面と可能性を示してくれただけに、ここで亡くなれてしまったことが非常に惜しまれます。

そしてこの映画、もちろんオールドスターを描いたものなのですが、同時に今の若者がわ、映画マニアの若者や、ダメな男に振り回されるダメな女の側もしっかり描いています。その意味では老人と若者の交流の映画でもあります。かつてアメ車をぶっ飛ばしていたレイノルズが、ダメ女が運転するボロ車の後部座席に座ってのロングドライブは、それだけで感慨深いものがあります。そして、レイノルズは歳をとってもダンディです。赤いサングラスが似合います。一方のダメ女(しかし、愛すべきダメ女)も黒いアイラインに黒いタトゥーが決まっています。凸凹コンビではありますが、そこには通じるものがあります。詳しいことはもちろん映画を見てのお楽しみですが、このロングドライブを通してレイノルズは過去を、愛すべきダメ女は未来を見ます。ある意味最高のロードムービーで、レイノルズがレイノルズ自身的な役を演じている意味で最高のフェイクドキュメンタリーでもあります。

是非、見てください。お薦めです!




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