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アマゾンプライムお薦めビデオ③ 133 :またまた面白い映画を見つけてしまった!『最強殺し屋伝説国岡[完全版]』

いやー!またまたアマゾンプライムビデオで面白い映画を見つけてしまった。『ベイビーわるきゅーれ』シリーズでも評価の高い阪元裕吾監督作品『最強殺し屋伝説国岡[完全版]』である。

この映画、いわゆるフェイクドキュメンタリーものである。『ベイビーわるきゅーれ』の準備中に阪元監督自身が本物の殺し屋に出会った、という設定で、彼の生活を追いかけていく。フェイクドキュメンタリーである以上、ドキュメンタリーぽっくなければ意味がない。その意味で、この国岡という人物はまさにその辺にいそうな普通の(といってももちろん殺し屋なので普通ではないが)人物である。愚痴を言ったりむかついたりもしながらも、淡々と仕事をこなしていく。生活もごく普通の、この年頃のアパートぐらしの青年である。いわゆるハイブランドを着たりはしないが、ファッションにもそこそこ気を使っているというか彼なりのこだわりも見られる。また普通に女の子とデートして付き合えることを夢見ていたりもする。

そして撮影と編集もうまい!ここでいう「うまい」とはドキュメンタリー的にうまい、ということである。ホラーものも含めて、低予算映画がフェイクドキュメンタリーものを好むのは、機材にお金をかけなくていいからだろう。家庭用のビデオカメラやスマホで撮影ができてしまう、というかそのほうがリアル感が出せる。また、お金をかけてセットを作る必要もない。もちろん撮影に際してはすべて許可を取っているのであろうが、人の生活をのぞき見している感がフェイクでもそうではないものでもドキュメンタリーにおいては重要である。ただ、それを垂れ流ししていてはそれは素人が撮ったホームビデオになってしまう。そこを補うのが編集のうまさだろう。無駄なシーンは省きながらも、ドキュメンタリーに必要な無駄さ感、意味のなさ感はしっかりと残している。例えば仕事=殺しに行くときに服を選ぶシーンは着替えているところをだらだらと映すのではなく、服選びの様子をパパッツと編集を入れてとびとびに見せることで、彼なりのこだわりと、そこにあるリアルを見事に表現している。

ところでこの作品、「完全版」とタイトルにあるように、もともとは「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」で上映されたもっと短いバージョンのものを長編(といっても90分程度だが)に再編集したものである。阪元監督の経歴を見てみると、京都芸術大学の映画学科で映画製作を学び、在学中の2016年に『学生残酷映画祭』(なんとも魅力的なタイトルの映画祭だが、今もあるのだろうか)でグランプリを受賞し、注目された、まだ若手の監督である。その後、無事?商業映画の監督となり、2021年の『ベイビーわるきゅーれ』、2022年の『ベイビーわるきゅーれ2』をスマッシュヒットさせた。今年は『ベイビーわるきゅーれ3(仮題)』が公開されるとのことであるが、『国岡』ファンとしては、2022年に公開された『国岡』の続編にあたる『グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡[合宿編]』を是非見たい(まだアマプラにはない)。この映画、最終決定前のタイトルが『ミスマガジン、全員殺し屋』だったそうで、ミスマガジン2021コンテストでグランプリはじめ何らかの賞を取ったグラビアアイドルたちが、なぜか国岡がインストラクターを務める訓練合宿に参加する、というとんでもな内容である。これは観るしかないであろう。今のところアマプラの優良レンタルにはあるが、会員用の無料タイトルにはないようである。是非、近いうちにアップされることを期待している。



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