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澁澤 健さん講演会へ行こう!

11/5はお出かけ交流会。「渋沢栄一の『論語と算盤』の現代意義に学ぶ
~ポスト・コロナの繁栄する社会と企業経営~」に参加してきました。

資本主義の原点とは

今回の題にもある通り、今回は渋沢栄一さんのお話がありました。渋沢栄一さんは一般的に「資本主義の父」と呼ばれる方ですが、彼自身は「資本主義」というワードを用いてないと言われています。渋沢栄一さんはその理想とするシステムを「合本主義」と呼んでいたのです。

合本主義

では「合本主義」とは何なのか。それは、多くの人のより良い、今日よりも良い社会を築くために必要な資金を循環させることだそうです。そしてこの考え方が現在の資本主義の原点となっています。

水滴のような一滴一滴のお金や思い、行い、行動が共感によって集まってくる。そしてそれが大河となり働きだす。それを彼は思い描いていたのではないかといいます。

ステークホルダーと呼ばれる企業価値を作るもと。そのもとが力を合わせることができるから価値が生じるのです。

現在の時代の激変が渋沢栄一を呼び戻しているのではないか、と澁澤健さんはおっしゃっていました。

渋沢栄一さんは激変する世の中でたくさんのことを成し遂げました。その心構えとはどのようなものだったのでしょうか。

イノベーションと普遍性

そこには「イノベーション」と「普遍性」というキーワードがありました。

イノベーションとは新しい時代に必要な生き様、考え。普遍性とはどの時代でも通じるもののことをいいます。この二つを併せ持つこと。これが大事なのです。

1916年には「論語と算盤」が出版されました。そこでの論語は道徳、算盤は経済を指し示します。そして現代で言う「サステナビリティと持続可能性」を指しているのではないかといいます。ここでも大切になるのはどちらか一つでは偏っているということ。

そしてもう一つ大切なキーワードが「インクルージョン」です。1%ではなく99%がインクルージョンされているのが大事だといいます。

渋沢栄一さんは「富の分配平均とは空想だ。」としています。

世の中には様々な立場の人がいます。色んな能力、才能の人、たくさん努力する人、そうじゃない人。こんなバリエーションのある人がいる中で全員が同じ結果になることはまずないです。

しかし、結果は同じにならないとしても機会は同様であるべきだと考えていたといいます。

「と」の力

今回のお話で一番印象に残ったのが「と」の力のお話。「論語算盤」の「」の部分のお話です。

と(and)」は合わせようとする力を持ちます。優劣ではなく両立しているのが特徴です。一見矛盾しているものでも、何かの条件で化学反応が起きる可能性を持っています。

それに対し、「か(or)」では分断する力に必要なもので、それ以上の化学反応は起きません。

「論語」「算盤」も一見矛盾しているものです。しかし「と」の力により両立することが可能になっています。

先にも述べた「イノベーション」と「普遍性」にも「と」が用いられており、合わせることの大切さを感じます。

この「と」の力を大切にしていくことがこれからの会社経営に必要なものなのではないかと感じました。

Why

もう一つ、印象に残ったのが、「Why」のお話です。

企業の話をするときや就活の際によく聞くビジョン(Where)、ミッション(What)、バリュー(How)。これらは企業理念を表すのに用いられます。

その中でもう一つの大切な問いがあります。それがパーパス。パーパスはwhy we do?を表します。

「なぜ我が社が存在してるのかに対して答えがある会社、なぜ自分はこの会社で働いているのかを答えられる社員が集まっている会社はこれから10年勝つ可能性が高い会社だ。なぜなら一人ひとりが言われたことではなく、自分のパーパスのために自分が思ってそこにいる、自分事である。」

Whyの視点から見ることの大切さに気が付くお話でした。そしてこのWhyの視点、これは俯瞰力と中国思想の中庸の場所同じではないかともお話されていました。

学生スタッフ感想

澁澤健さんはお話の中で、「今の若い人達は日本の将来を不安に思う人が多いのではないか、ネガティブに捉える人がいるのでは」と言ったお話もされていました。実際に私自身そのように感じていました。しかしこの話を聞いているうちに、ふと個々人が、そして会社が自分事として社会に向き合っていく事で解決できることも増えていくのではないかと思うようになりました。

来年度から私は社会人になります。たまに立ち止まり、自分がなぜその会社にいるのかを考えなおしてみようと思いました。


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