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スポーツ業界への転職準備~職務経歴書の書き方編~

こんにちは。PLMキャリアの藤井です。
今回は転職活動に必須の「職務経歴書」をテーマに記事をお届けいたします。

「職務経歴書」とは、業務経験やスキルを記載した書類のことで、転職の選考の際には、ほぼ全ての企業で履歴書と一緒に提出が求められます。
私たちPLMキャリアのスタッフは日々、ご面談させていただく皆さまの書類に目を通しています。その中で、私がキャリアコンサルタントとして、そしてスポーツ関連企業や球団の採用支援をしている視点から、スポーツ業界への転職を目指す方向けに、職務経歴書を作成する際のポイントを具体的にお伝えしたいと思います。

1.違いを生み出すのは「完成度」

転職のご経験がある方は、ほとんどの方が職務経歴書を作成した経験をお持ちだと思います。あるいは初めて転職される方でも、一般的な転職関連サイトや書籍等をご参照いただければ、基本的な作成方法は容易に学ぶことができます。サイトによってはフォーマットのダウンロードやサービスの登録フォームに入力をするだけで、自動的に職務経歴書が作成されるものもあります。

とはいえ、そのフォーマット上に自身の業務経験やスキルを入力するだけで職務経歴書が完成するかというと、そう簡単な話でもありません。職務経歴書の作成には押さえておくべきポイントや視点があり、たとえ共通のフォーマットが用意されていたとしても、その仕上がりには人によって差が生まれ、それが書類選考の結果に繋がります。「なかなか書類選考が通過できない」「どうすれば面接に進めるのか」そんなご相談も面談時に実際にいただきます。職歴やプロフィールそのものに不足があるのでないかと案じる方もおられますが、実はそれ以上に、あるいはそれ以前にもっと大切なことがあります。

それは、当たり前のことかもしれませんが、この職務履歴書なる書類が、たった数枚にして人生を大きく左右する超重要書類であることを深く理解することです。そしてその上で、その重要書類を可能な限り完成度の高い書類に仕上げていく姿勢を持つことです。まずはこの認識と姿勢こそが何より重要です。繰り返しますが、キーワードは「完成度」です。


2.「当たり前」ながら見落としがちな重要ポイント

さて、完成度の高い職務経歴書を作成する上で最も大事なことは、「相手のことを考える」ことです。「相手」とは、提出先の企業担当者、そして求人の内容です。
 
提出先の企業担当者の立場に立って、まずは当たり前ですが、読みやすい書類を作成できるかということが実は大事なポイントです。これは業務経験やスキルといった内容以前の問題ですので、そんな事は当然できていると思われる方も多いかと思います。ところが実際に数多くの職務経歴書に目を通していると、意外とこれが出来ていない方も少なからずいらっしゃる印象で、非常にもったいないと感じています。もちろん、キャリアアドバイザーが面談時に書類作成のアドバイスも行いますが、ご自身でも意識次第ですぐに改善できる部分ですので、あえて強調しておきたいと思います。本当に、少し修正するだけでも書面上の印象がとても良くなります。

具体的には例えば、書類の枚数です。多くの転職サイト内のアドバイスにも記載されていますが、職務経歴書は基本的にはA4サイズで1~2枚、多くて3枚に収めることが推奨されています。しかし、ご応募いただく方の中には7~8枚に渡って作成されている方がいらっしゃいます。社会人経験が長くなれば、異動や転職なども経験し、それだけ職務経歴が多くなります。アピールできる実績も自然と多くなるでしょう。しかし、それら全てを網羅的に記載する必要はありません。企業担当者へ非常に多くの応募書類が寄せられる中、1人で8枚もの職務経歴書が綴られていた場合、読み手はどのように感じるでしょうか?最後まで目を通してもらえないかもしれませんし、最後まで目を通したとしても、内容が多すぎて、結果的にどんな人なのか、何が強みなのか、印象に残りにくくなってしまいます。伝えたいことを端的に書類にまとめるのも社会人としての書類作成能力のひとつであり、書類選考時の評価項目に入ります。

その他にも、誤字・脱字は無いか、不自然な改行は無いか、文字の大きさ・フォントは適切かということも提出書類として基本中の基本で、非常に重要です。今一度、提出前に確認しましょう。家族や友人など、信頼できる第三者に客観的な視点で確認してもらってもよいかもしれません。繰り返しますが、人生をかけた大事な書類です。決して「当たり前」と油断せず、完成度を高めましょう。 


3.相手に合わせられる「編集能力」を高めよう

改めて基本を押さえたところで、ここからは具体的な求人を例に挙げながら、気をつけたいポイントを解説します。

はじめに結論をお伝えすると、ここでもやはり大事なのは視点です。自分目線での職務経歴をただ羅列するだけでは相手には伝わりません。相手、つまり、応募先の募集求人をよく研究して、相手を理解した上で、書類に落とし込むことが大切です。

それでは、具体的に職務経歴書の内容を考えていきましょう。どのような内容を記載すれば書類選考の通過率が上がるのでしょうか。スポーツ業界だからといって、特別な形式や記載内容が必要なわけではありません。また、誤解されがちな点なので付記しておくと、競技経験や成績の記載も必要ありません。

以上を前提に、ここではプロ野球球団への転職を想定して、球団の求人票の例を見ながら、職務経歴書の作成について検討しましょう。

例:【求人票】球団スポンサー営業
◎必須条件
・クライアント目線で企画を立案・検討ができ、提案型営業の経験が3〜5年程度あること
・深く考察し実現に向けたソリューションを組み立てられること
・クライアントや社内部署と調整できる高いコミュニケーション力

このような求人に応募する場合、どのような職務経歴書を作成すれば良いでしょうか。自分のこれまでの職務経歴をただ羅列して書き綴るだけでは、完成度が高いとは言えません。「相手」である求人内容をよく読んで理解してください。

特に求人票の中の「必須条件」は、この経験を持っている人を採用したいという企業側の意思表示ですので、応募者である自分に該当する経験やスキルがあるということを職務経歴書の中にも盛り込み、アピールすることが大事です。具体的には「提案型営業の経験が3〜5年」という必須条件に当てはまる自身の職務経歴を記載します。より説得力を持たせるためには数字での実績を書くと客観的に伝わるでしょう。その他、「歓迎条件」や「求める人物像」なども求人票に記載されている場合が多いので、自身の職務経歴の中から、該当するものを中心に記載しましょう。

「相手のことを考える」ということは、「求人内容を正確に理解する」ということです。自身の経験と求人との接点を考えます。ある意味、答えが求人票に記載されているとも言えるでしょう。採用担当の目線では、採用したい人物像と応募者がマッチするかという接点を書類上で探します。求人を理解することは、その企業のビジネスや職種を理解することにもなります。スポンサー営業とはどんな仕事なのか、どんな成果が求められるのか。よって、職務経歴書を作成するプロセスは、企業研究にもなり、面接対策にもなり、全てが繋がっているのです。

私の事例を補足させていただきますと、新卒から鉄道会社で6年間、店舗開発・流通の業務に従事した経歴と、2社目でアスリートのキャリア支援に3年半従事していたという、種類の異なる職歴があります。この経歴で転職をする場合、球団のMDポジションへ応募する場合は、1社目の店舗開発の経験を実績とともに詳しく記載しました。一方で、現職の人材事業のポジションへ応募する場合には、2社目のキャリア支援の経験を厚めに記載し、年月としてはより長い6年間の鉄道会社での経歴は思い切って短縮しました。このように、応募する求人、つまり、企業の求める人物像によって、同じ個人でも応募先によってアピールするポイントが異なりますので、応募先のニーズを理解した上で、書類を作成しましょう。そうすることで、的を絞った内容で2~3枚程度に収めることも出来るはずです。ある種の編集能力が問われる作業と言えるかもしれません。

個人のキャリアや採用に関することなので、職務経歴書もここまで書けば必ず書類選考を通過できるという正解はありません。ただし、作成のポイントを知ることで、応募者側の努力で出来る限り完成度を上げて、書類通過の可能性を上げることは出来ると思います。お手元に職務経歴書をお持ちの方は、一度、見直してみてください。


4.すぐ動けるよう、常に書類を備えておこう

ここまで、職務経歴書の書き方について、ポイントをお伝えしました。具体的に転職を検討されている方は作成する際にご参考にしてください。まだ転職は今すぐでなくてもいいと思っている方も、社会人としてキャリアを積むにあたり、職務経歴書は常に準備をしておくことをお勧めします。

職務経歴書を書くことで、自身のキャリアを客観的に振り返ることが出来ます。実際に書き始めると結構難しいものです。それでも、目に見えないキャリアを文字にすることで、自身の強みや経験に関する新たな気付きを得られることもあります。日々の業務を通して新しい経験も蓄積されていることと思いますので、社普段から自身のキャリアを見直し、定期的に職務経歴書をアップデートしておくのもお勧めです。

このように普段から備えをしておくことで、希望の求人案件に出会った時にすぐに応募でき、チャンスを逃さずに行動することができます。先日、PLMキャリアでご面談した方も、ずっと志望していた球団のポジションではなかなか求人が出ず、応募のタイミングを図っていたのですが、ようやく希望の求人が出たタイミングで、事前に応募書類を準備をしていたため、すぐに応募に繋げることが出来ました(そして無事、内定となりました!)。わずかなチャンスとタイミングを自身で掴めるよう、職務経歴書や履歴書といった応募書類は、常に自ら準備しておいてもいいと思います。

以上、今回はスポーツ業界への転職を目指す方に向けて、職務経歴書の作成についてお伝えしました。皆さまの転職活動の参考になれば幸いです。




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