見出し画像

球団職員の働き方〜シーズン中からオフ期間まで〜

こんにちは。PLMキャリアの藤井です。
プロ野球は2月からキャンプインし、各球団の活動がスタートしています。スポーツニュース等でも選手の姿を目にする機会が増え、野球の季節がだんだんと近づいてきた雰囲気を感じます。とはいえ本格的なシーズン開幕までは、まだもう少し時間があり、公式的には現在もシーズンオフの期間となります。

今回の記事は、プロ野球業界で働くことに興味をお持ちの皆さまから頻繁にご質問いただくテーマのひとつ、「球団職員の働き方」についてお届けします。シーズンと採用の関係にも触れていますので、球団への転職を検討されている方は、ぜひ転職活動の計画にお役立てください。

1.シーズン中とシーズンオフの球団職員の働き方

転職を検討するにあたり、働き方はとても重要な検討ポイントになります。球団職員の場合、ご想像の通り、シーズン中とシーズンオフで働き方に違いがあります。逆に言えば、その時期ごとに毎年の業務やスケジュールは概ね決まっています。

まずは、シーズン中の働き方をご紹介します。大きく分けて3パターンの働き方があります。

1つ目は、イベント、試合演出、グッズ販売など、直接的に試合運営に関わる部署です。ここは試合のスケジュールに合わせてシフト勤務をし、労働時間を調整しています。ナイター試合時には、昼頃に出勤し、試合終了まで勤務するといった勤務形態です。プロ野球は月曜日が移動日で試合がない場合が多いので、月曜日が休日になる方も多いです。

2つ目は、スポンサー営業、商品企画、ファンクラブなど、直接的ではないけれど試合にも関わることがある部署です。こちらは業務状況に応じてシフト勤務や週末の出勤を行い、振替休日を取るなどで調整をしています。具体的には、ナイターの試合時に担当スポンサー企業の案件がある場合に、営業部でもその時間まで業務を行ったり、あるいは週末に大きな企画イベントがある場合に、商品企画担当者も販売の現場対応を行うといったケースです。

3つ目は、企画・管理系の部署。こちらの部署は、シーズン中も直接的に試合運営には関わらないので、週末土日休みのカレンダー通りの勤務であることが多いです。

一方、シーズンオフは試合対応がないため、基本的にはカレンダー通り、朝出勤の夕刻退勤という働き方になる部署が多いです。まとまった長期休暇を取りやすいのもこのシーズンオフ期間になり、年末にかけて冬季休暇を取る方が多い傾向です。試合が動いていないので、気持ち的にも少しほっと休息できる時期ではないでしょうか。このように、球団では大きく分けてシーズン中とシーズンオフで働き方に違いがあります。

2.シーズンオフの業務とは

ここからは、シーズンオフの球団職員がどんな業務を行なっているのかを具体的にご紹介します。

①11~12月:オフのイベント対応や翌シーズンの準備

日本シリーズを終えてようやく長いシーズンの戦いが終わった…と一息つきたいところですが、球団職員はすぐに翌シーズンの計画を進めなければなりません。より正確に言えば、来シーズンに向けた準備に関しては、実はもう少し手前のシーズン後半戦頃から検討し始める案件も多数あります。とはいえ原則的には目の前の試合対応が優先されますので、シーズンが終了した段階で、計画をより具体化していくフェーズに移ることとなります。翌シーズンの試合日程が決まり、それに合わせた集客施策やイベント、スポンサー営業など、各部署で準備を進めます。また、ファン感謝デーや選手稼働のスポンサーイベント、年始のグッズの初売りなど、シーズンオフならではの企画もあり、各担当はその対応も行います。

シーズンオフの各部署では、主に以下のような業務があります。

【営業】企業へのスポンサー営業やイベント、シーズンシートの販売など
【ファンクラブ】会員獲得、会報の制作、会員特典の企画など
【MD】選手の移籍・退団に合わせた商品メンテナンス、新ユニフォームやファン感謝デーなどに合わせた商品企画など
【チケット】販売計画、企画チケットの商品設計など
【宣伝】新ビジュアルのポスター撮影、広報物制作など

例)千葉ロッテマリーンズの2023シーズンスペシャルイベントは、2022年12月23日に告知されています。

「開幕」という明確なリミットが決まっていますので、どの球団もそれまでに準備を間に合わせなければなりません。選手肖像の取り扱いやファンの皆さまへのご案内など、ミスもあってはならないので、慎重かつスピーディーに業務を遂行する必要があります。

こう書くと何だか大変そうに響いてしまいますが、一方で、部門担当者の自由なアイデアや創造性を活かせる機会が多いのもこの時期です。担当として考えた新サービスやイベントの企画案、シーズン中の運用時に気付いた改善点などを反映して、来シーズンに実行出来るよう仕込みます。社内でイベントのアイデアを公募し、プロジェクトチームを立ち上げて、企画を進める取り組みもされています。自身が考え、温めていたアイデアをシーズン中に実現できた時には、大きなやりがいを感じることができるでしょう。

②1~2月:キャンプ~オープン戦~開幕に向けて

年が明けると、球団内では一足早くキャンプモードに入り、各部署の準備が慌ただしく始まります。具体的には、キャンプ地との調整、グッズの販売計画から販売準備、イベントの企画調整、広報対応などがそれにあたります。プロ野球では、キャンプも興行の一部と認識してビジネスを行っているため、自然とこの時期も忙しくなります。球団職員のみならず、メディア関係者、現地の観光協会の方など、多くの方がキャンプ地でプロ野球に関わる仕事をしています。
ところでシーズンオフは概ねカレンダー通りの働き方と先述しましたが、中にはキャンプが始まると現地へ出張し、業務を行うケースも出てきます。私自身もバファローズの球団職員だった頃、MD部の業務でキャンプ地へ出張し、グッズの販売対応をしたことがありました。

このようにキャンプが順調に遂行されるよう努めながら、2月下旬から始まるオープン戦や3月の開幕戦に向けての準備も同時に進めていきます。オープン戦が始まると実際にファンのお客様を球場にお迎えするため、シーズン中と同じようなチケット、グッズ、飲食、演出などの業務も始まります。選手と同じように、球団職員もオープン戦で開幕に向けて最後の準備を整えます。そして、プロ野球における最も大事な1日のひとつである、開幕戦を迎えることとなります。球団事務所や球場裏にはたくさんの祝い花も届き、開幕戦はとても華やかな雰囲気です。

シーズンオフにおける球団職員の徹底した準備は、プロ野球の開幕を無事に迎える上で欠くことのできない部分です。だからこそ職員としては、準備に奔走し、ようやく開幕を迎えた瞬間、毎年特別な感情が湧いてきます。

例)ライオンズのベルーナドーム開幕3連戦の告知

3.シーズンと球団職員の採用について

最後に、シーズンと球団職員の採用がどのように関連しているのかに触れておきたいと思います。球団の企業としての組織体制は、チーム編成と同じくシーズンオフに変更されることが多く、ここに人員採用の需要が発生します。以下は、採用の需要が発生する主な例です。

①組織の方針でポジションを強化したい
 例)マーケティングを強化したいから、マーケティング経験者が欲しい
②異動・退職する方の欠員補充をしたい 
 例)スポンサー営業担当者が退職するので、その欠員補充をしたい 

このように、採用の需要は組織全体の人員の都合によって発生するので、球団職員の採用はシーズンオフに新しい求人が出ることが多く、ここが最も採用ニーズの高い時期と言えます。新しいポジションで求人が出ることも珍しくないため、この時期の求人情報は要チェックです。

人事目線でも、中途入社の社員には開幕から業務の戦力となってもらうべく、シーズンオフの間に採用を希望する球団が多くなる傾向があります。実際にPLMキャリアでも、各球団からそのような要望をいただいています。もちろん、通年で募集している球団やポジションもありますが、球団職員を目指す方は、やはりシーズンオフに求人をチェックすることで、よりチャンスが広がると言えます。


以上、今回はプロ野球の球団職員の働き方を、採用時期との関連と併せて具体的に解説いたしました。
2月は球団もシーズンに向けてまだ人員補強を進めているタイミングですので、転職にご興味のある方はぜひ前向きにご検討ください。

PLMキャリアでは、随時求人情報をお届けしていますので、こちらもぜひチェックしてみてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?