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「デザイナーの価値」を考え、実践できる環境で学びたい!PTD受講生×メンター 対談インタビューvol.3

こんにちは、PLAY THE DESIGNERの長島です。PLAY THE DESIGNER(以下、PTD)を受講中の皆さんのリアルな声をお届けする“受講生×担当メンター 対談インタビュー”第3弾(第1弾第2弾はこちら)。今回は、「リサーチ」という共通点を持つ受講生の夏秋さんと担当メンター・篠原さんとの対談をお届けします!

プロフ

※メンター・篠原直人さんの個別インタビューはこちら

■一度は挫折した「つくること」に、もう一度挑戦する

ーーよろしくお願いします!夏秋さんは普段UXリサーチャーとしてお仕事をされているそうですね。

夏秋:具体的にいうと、WEBでのアンケートから「今の消費者像」やその志向を紐解き、クライアントさんに今後の方向性を示すようなコンサルティングの仕事をしています。もともと大学の学科のテーマは「デザイン・経営・工学の3つの視点を取り入れて実践すること」。就活でもデザイン一本ではなく「ビジネスに関わるデザイン」を軸に探していて、様々な消費財に関わるアイディア開発を行うという業務内容に惹かれて現在の会社に入社しました。

ーーデザインやものづくりにその頃から興味があったのですね。

夏秋:そうなんです。でも、プロダクトや建築の勉強を通して模型やらスケッチやらいろいろつくっていたんですが、「センスがない」と言われてしまって…(苦笑)。デザイン一本で行くことを諦めた理由はそこにもありますね。シンプルに「挫折」です。

ーーそうだったんですね…!そんな「ものをつくる」ということに、ある意味再び挑戦しようと思ったきっかけは何だったのでしょう?

夏秋:現職では、普段の生活で目にするような様々な商品を出されている大手企業のクライアントさんに、自分のアイディアを提案出来るなどのやりがいがあります。ただ、「つくる」部分についてはやはり自分の手を離れてしまうので、若干のもどかしさも感じていました。実際に具体物をつくるところにも関わってみたい、自分はそうしたつくることが好きだったんだとあらためて実感し、動き始めてみたという感じです。

■「デザイナーの価値」を考え、実践できる環境を求めて

ーー独学ではまずどうやって学んでいましたか?

夏秋:デザイン学習サービスなどでまずは学習し始めました。でも、自身の怠け癖と「自分が作ったデザインがいいのか悪いのかがわからない。社会からみて、どう評価されるレベルなのかがわからない」というもやもやがあり、自分の向かう先が分からなくなってしまったんです。その時に、ツモマーさんがゲスト出演されていたYouTube配信を見つけました!

ーーこちらの番組ですね!けっこうぶっちゃけトークをしていますが…(笑)。

夏秋:むしろ「本質的な話をしている」という印象がありました。デザインスクールをハシゴして学ばないといけないような現状や、そこで教えている内容についての問題意識について話されていたんですが、それが衝撃的で!そして、自分が知りたかった「デザイナーという仕事は、世の中に対してどういう価値を提供できるのか?」という本質に迫っていることに惹かれ、思い切って面談予約をしたんです。

ーー「デザインする」「つくる」ということをしっかり捉えようという姿勢や、そもそもそれが好きだということは、メンターの篠原さんもすぐに感じたそうですね。

篠原:現職がUXリサーチャーだと聞いていたので、初回の課題制作をみて、いい意味でかなりのギャップを感じましたね!「この方、めちゃくちゃ手を動かしてつくることが好きなんじゃない?」って。サインアップ画面を作るのに、キャッチのイラストを自分でパスを描いて作りこんできた人は初めてです(笑)。結果的に、カリキュラムの扱い方をだいぶチューニングし、手を動かしてデザインをしてもらうことを押し出していくように変えました。

夏秋:課題を見て、検索して出てきた事例を色々みてイメージを固めたあと、「今っぽさを出したいな」と思ったんです。フィットネスアプリのサインアップ画面というお題ですが、コロナ禍で自宅に引きこもる人が多いという現状を踏まえてコンセプトを作って取り組んでみました。

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ーー実際に自分で「カタチにする」ことをやり始めてみて、どうですか?

夏秋:もともとデザインをもう1回やろうと思い始めたのにも、やっぱり手を動かしてビジュアルになるものを作りたいという欲求がありました。リサーチや情報収集もとても大切ですが、実際にそれをどんなカタチにできるのかが重要。どんなリサーチもカタチになってこそなんです!それを自分で出来る、自分でカタチにできるということにモチベーションを感じています。

◇デザインを学べる環境をより良くしたい
PTDを始めた理由の一つでもあるんですが、デザインを学ぶ環境が整っていないなと感じていました。スクールはいくつかあるけれど、そこで学んでそれからどうしたら良いのかがわからないというデザイナーさんも多く、それなら自分でやろう!と思って始めたのがPTD。YouTubeでは、そんな話をかなりぶっちゃけトークでしています。(ツモマー)

■リサーチャーとは異なる「デザイナーの哲学」を取り込む

ーーすごくデザインを楽しんでいるのを感じますが、逆に苦労している部分などはありますか?

夏秋:毎回すごく悩みながら取り組んでいます…!OOUI、ペルソナ、ジャーニーマップ…事前に色々参考リンクなども教えてもらうのですが、それでもやっぱり1週間では理解しきれない。「そもそもこれはどういうことなんだろう?」と自分なりに解釈しながら、「この画面で体現できているのだろうか?」「これであってるのか?」など、毎回篠原さんに相談させてもらっています。

篠原:夏秋さんにもよく言っているのは、「『わからない』を『わかる』ようにしてあげるのがデザイナーの仕事の一つ」だということ。リサーチャーという立場だと「こんなふわっとした要件定義で一体どうしろと…?」ということもあると思います。でも、そんなふわっとしたものでも「とりあえずカタチにしてみると、こんな感じになるんだけど、どうですか?」と見せてあげる。そうすると「実は〇〇だったんだ」「こういう考え方もあるかもね」と問いが生まれたり、新しく展開することが出来るんです。デザイナーが「カタチにする」ことの価値が一つそこにある。

ーーリサーチャーとデザイナー、二つの立場を持ったからこそ、悩む部分でもありますよね。夏秋さんは、デザイナーとしての軸を掴めたなと感じる瞬間はありましたか?

夏秋:OOUIの考えやアップルの規格、デザイン4原則など、基本に則って画面を作れるようになっていることを感じています。「何をどうしたらいいかわからない」ということがなくなったのは、成長なのかなと。ペルソナやジャーニーマップなど、どこでどの考え方を用いるのが良いのかを、そこに紐づいた知識として蓄えられている感覚があります。やってるな!と感じていますね(笑)。

篠原:リサーチャーとデザイナーという立場を持つ以上、本人の中では2つの哲学が存在しているはずなんですよね。因果を繋いでいくリサーチの哲学に対して、現実のコミュニケーションをみるデザインの哲学は相反するところがあるので、当然ストレスがあります。夏秋さんもその2つが共存する状態に対して戦っているのを感じますね。でも最近は、「今どちらの哲学で悩んでいるのか」をメタ認知して、言語化できるようになってきていますよね!

夏秋:そうなんです!そうした悩みを、毎回授業で篠原さんに壁打ちさせてもらっています。

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■「課題を見つける」ことに悩みながらも、デザイナーとして一歩一歩前進する

ーー最終課題に入ったところですが、進捗はどうですか?

夏秋:今も苦しんでいます(笑)。というのも、現職では「クライアントさんはこういうことに悩んでいます」という課題が下りてきて、それを如何に解決するかという部分が肝。でも今やっているのは「課題を定義する」こと。自分でカタチにしてみて、それをみてまた課題を見つけるという繰り返し。「課題を決めてほしい!」って最初は思っていました(笑)。そこにずっと悩みながら取り組んでいますね。

篠原:夏秋さんについては、デザインという哲学をねじ込むために敢えて「つくること」を課している部分はありますね。3回目の授業でユーザビリティテストのようなものを扱った際、「リサーチだけにしますか?」と聞いたら、「いや、つくります!」と言ってくれたので、「じゃあ、つくりましょう!」と(笑)。そこから戦いは始まっていますね。

ーー頼もしいですね!少しづつ戦い方もわかってきたんじゃないですか?

夏秋:まだまだ沼の中です(笑)。でもそれが全然嫌ではないんです!もともとデザインの本質的な部分を学べるところに惹かれてPTDに入ったので、「デザイナーの価値」を身をもって学べているという実感があります。篠原さんが話してくれた「デザイナーが価値が発揮するということは、ふわふわとしたものをカタチにして皆が課題を認識したり、発見したりできるようにすること」という言葉。それこそ僕が聞きたかった話だと思っています!

篠原:最終課題の初速もとても良かったですよ!尖ったものを出してきてくれたので、とてもわくわくしています。

夏秋:最終課題では、「お休みの日だけのカレンダーアプリ」を作ろうと思っています。今、在宅勤務で仕事が出来るようになって、仕事モードのON/OFFの切り替えが曖昧になっているという課題感があって。お休みの時にも時間で区切られている感じがしたり、次の仕事までの時間を意識してしまいストレスを感じてしまうんじゃないのかな、と。具体的にどうするかは、ここからまた練っていきます。

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◇メンターがユーザーインタビューにも協力します!
最終課題に取り組む中で必要性を感じた夏秋さんの投げかけで、メンター&有志の受講生とがユーザーインタビューにお応えすることになりました!PTDのSlackでは、担当メンターさんとのやりとりだけでなく、受講生同士での情報交換も活発になり始めています。(ツモマー)

■「なんかいいな」を支えられるデザイナーを目指して

ーー最終課題についてもそうですが、やはり本職の力もあるのかインサイトの捉え方が鋭いですね。

夏秋:日頃から、様々な商品に対して「これはどういうニーズに対して訴求したいものなのか」を考えるようにしています。気づかなかったけどあったら嬉しい、そんな気の利いたアイディアが好きなので、そうした部分を敏感に感じとれるようにと思っています。

篠原:それは、今後デザイナーとしてやっていく時に必ず強みになるはず!やっぱり未経験デザイナーは、デザイン以外にどんなスキルを持っているかを問われる傾向があります。なので、そこはもっともっと前面に押し出していってほしいですね!

ーー今後はどのようなステップを考えていますか?

夏秋:まずは相手に対しても「そのスキルあるよ!」と言えるぐらいに、自分のデザインスキルをしっかり固めるつもりです。将来的には、UXという軸を活かしつつ、UIにも範囲を広げて働けると、PTDで学んだことも活かせていいなと思っています。UX/UIを大切にしてサービスを展開していくことにも興味を持ち始めました!理想はnendoの佐藤オオキさん。余計な主張や誇張がないのに、心に刺さる一点をもっていると思っていて、自分もそうした「なんかいいな」を支えられる存在になりたいです。

篠原:僕もnendoの佐藤さん大好きです!皆ああであるべきなのに、どこか独特という。夏秋さんはいわゆる「ビジュアルに落とし込む」ところについてはまだまだ課題もあると思いますが、そこはどんどん数を打っていくしかない。一定の時間はかかると思いますが、前提となる基礎は出来つつあると思います。今学んでいること、疑問に思っていること、それをそのまま「どうしてだろう?」と考え続けながら、良いものをつくることを諦めずに道を切り開いていってほしいです!

Interview&Text:Shiho Nagashima


※2021/3/1追記: 新規受付は停止いたしました。

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