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Playtest Kyoto 2024 / Day3

Playtest Kyoto、3日目のゲームの一つは、デザイナー・木原共の「Unmapping」。このゲームではプレイヤー達は目隠しをされ、謎の場所へ車で連れて行かれます。参加者の携帯電話と財布は一時的に封筒に封印されているため、自分の感覚だけを頼りに手がかりを解き明かして、ゴールへ辿り着かなければいけません。道案内をスマートフォンに頼り切る人たちが増えたいま、「迷う」ことを通して私たちと都市の関係を考えるゲームです。

プレイヤーがチーム毎に手渡される、地図とミッションが書かれた封筒。ゲームの始めに、スマートフォンを封筒に封印して、Google Mapを使えない状態でプレイをします。
メイン会場のBridge Studioをで目隠しをされ、車に乗り込む参加者。知らない場所に連れて行かれます。
今回は、北白川の近くにある、とはる墓場からゲームがスタート。
背景にある大文字の山も、地形を読み解くヒントになります。
目隠しを外され、ゲームスタート。茶封筒の中には複数の袋が入っており、ミッションを一つクリアする毎に、もう一つ袋を開封して次のステージに進める仕組みになっています。
まず、自分達がどこにいるのか、今からどこに行くのかを、1892年の古地図をもとに解明して行きます。京都生まれ京都育ちの小学生にも、古地図の解読は難しい模様。
袋を開封するたびに、入っている地図はどんなどん新しくなります。同じ場所でも、1892年には田んぼだらけだった街に徐々に住宅街ができ始め、その姿は大きく変わることに、地図を重ねることで気づきます。そのなかで、変わったもの、変わらないもののなかから、目的地のヒントを探していきます。
最後にたどり着いた掲示板には、「ここがゴールではない。」の文字が。
「、」の上に安全ピンを刺し、穴の空いた地図上の場所が最終目的地です。
チームの動きはGPSトラッカーで記録されており、ゲームの終了後は、その地図を見ながら、他の参加者も交えてディスカッションをしました。

午後からは、アーティストのMarcus Richert による花札づくりのワークショップが行われました。花札と言えば、今でこそ機械刷りのものが当たり前ですが、江戸時代から昭和初期にかけて京都では「合羽摺り」というステンシルを使った手摺りが一般的でした。木版画の錦絵より早く、そして安価に多色刷りできるラフな印刷方法ですが、そのラフさが現代人にとって逆に優雅に感じられます。戦後に姿を消したこの印刷方法は昭和50年代に一度復活されたものの、手摺りの花札を手に入れようと思えば、今日ではとても高価です。今回は、この手摺り花札を一緒に作り、みんなで遊んでるワークショップを行いました。

ステンシルを使った手摺りで、複数の色を重ねていきます。ステンシルの型は、Marcusが手作りでカッターなどを使って作成したとのこと。乾いては次の色、そして次の色と、次々と完成していく様子はなかなか満足度があります。
裏付けをして、反らないようにゴムで留めてから、専用の箱に入れて、完成!今まで花札で遊んだことがないという人も、自分で刷ったカードで遊びながら、文化を後世に残していけたらと思います。
Marcusによる花札にインスピレーションを受けたオリジナルのカードゲームもとても面白いので、ぜひチェックしてみてください。

3日間で合計300人ほどの参加者が訪れたPlaytest Kyoto 2024。今回はアーティスト数も限定しミニマムで行いましたが、来年以降も継続させていきたいと考えています。来年度以降の運営や参加に興味がある方は、playtestkyoto@gmail.comまでお気軽にご連絡ください。

HP: https://playtest.city/ 



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