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二人芝居というシングルス。脚本という八百長芝居。

昔の僕は、芝居の修行として二人芝居をよくやった。
二人芝居は、球技でいうところのラリーであり、シングルスである。
相手から来るものに反応し、その瞬間瞬間に応じたベストチョイスをする。一瞬たりとも気が抜けないものだ。
だからこその基礎であるし、面白さもある。芝居の究極形と言っても過言ではないだろう。

そして僕は即興もやる。
即興がガチ試合だとしたら、脚本は八百長試合。いかにガチ試合のように見せるかが、脚本芝居で大切なこと。
だが、ガチ試合をやったことない人が、お客さんに嘘だとバレない八百長をすることは難しい。
だから僕は俳優に即興を薦めるのだ。特に即興での二人芝居を。

即興二人芝居公演「Love is Life」
お客さんと作る即興二人芝居「Shall We Impro?」
渡猛との即興二人芝居「OshoWatarImpro」

これまで信頼出来る俳優、インプロバイザーはもちろん、演劇なんか全くやったことない初めましての人など、多種多様な人達と即興で、二人芝居を演じてきた(50人は有に超えているだろう)
その経験から思うのは、どんな人でも、その瞬間に表すものは等しく輝かしいということだ。
経験があるとかないとか関係ない。そんなものは過去の積み重ねに過ぎないわけで、今目の前のこの瞬間というのは、どんな人も無防備であり、曝け出されている。だからこそ美しいのだ。

今この瞬間(イマココ)という最も美しい瞬間を味わうこと。
そしてその積み重ねが素晴らしい芝居に繋がるということ。
そこに確信を持ってやっている、即興二人芝居。より多くの人に届きますように。

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