見えない俳優と喋れない俳優が交流を試み物語を紡ぐ公演
10月に帰国したらインプロショーをたくさんやっていきます。
この公演はそのうちの一つです。
今年の6月に結成した「シコウ品はいつもモノトーン」というユニット。
インプロバイザーの忍翔、住吉美紅、ピアニストのCHIZUEによる3人のチームです。
このチームを一言で表現するなら「Poetic(詩的)」です。
初めてこの3人で公演を打った時は、まるで海外戯曲のようなインプロに挑戦しました。
その公演の中では「僕は法律を知れば知るほど、いかにこの世界にとらわれているのか知ることになるんだ」 「キャサリン(あなたの奥さん)帰ったわ、二人の子どもを連れて。悲しいわ、一番の親友だったんだもの」と言った台詞がつらつらと紡がれました。これは僕とみくみんだからこそ出来ることだと思いました。
お互い言葉を扱うことが得意で、尚且つそのリズム感も似ているので、2人でやるとまるでフリースタイルのように言葉がどんどん現れてくる。ラップのような戦いではなく、2人で同じ織物を折り合っているような感じ。縦の糸はあなたで、横の糸は私。そしてそれを包み込むのがCHIZUEさんのピアノです。
初めて僕が一緒にやった時から感覚が合い、それからずっとピアノはCHIZUEさんに頼んできました。打ち合わせが嫌いな僕たちは、いつも会場に行ったら一言二言だけ挨拶を交わし、後はステージ上で全てを味わってきました。みくみんと3人でチームを組むようになってから、ようやくおしゃべりをするようになった感じです。でも話さなくっても、どこか繋がっていたような感じはずっとしていました。安心して背中を預け、そして預けられています。
そんな我々のホームは浅草橋にあるstudio availableです。
初めて公演した時から「今後はずっとここでやろう!」と、お気に入りの場所になりました。高級感と同時に安心感を与えてくれるスペースで、そこにいるだけで特別な気分になれます。シコウ品が目指すものにぴったりの場所です。ここに来るだけでも意味があるかもしれません。
今回の公演は、かつてみくみんが劇団員の一人と上演した実験的公演の再演という形になります。
1人は話すことが出来ず、もう1人は見ることが出来ない。そんな2人がどのような交流をし、物語を紡ぐのか。想像してみると、普段僕らがしないようなコミュニケーションがいくつも生まれそうです。しかしひょっとしたら、それらは僕らが忘れているだけなのかもしれません。人間の原点を見られればいいなあと、僕は密やかに期待しています。
公演は来月中旬、日曜日。一番来やすいのではないかという曜日時間帯です。
見たことも聞いたこともない体験が出来ることは間違いないでしょう。僕らが作るシコウの世界を、是非とも味わいに来てください♪