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【ゆりうララ】そんなこと起こってない日記2(そん きょ編)

8/28にオンライン開催した ちょっとはちゃめちゃな夜のワークショップ『ゆりうララ』。この日は「そんなこと起こってない日記」を書いて、それぞれを声に出して読んで発表しあうというものでした。

事前に書いて来ていなくてもワークショップ中に15分書く時間を設けたので、そこで書いたり書き足したり。ペンネームそんきょさんも、そのおひとりです。



そんなこと起こってない日記

                            そん きょ


2023年8月27日

 小五の息子と、お相撲体操を始めた。夏休みに両国国技館前で、相撲の型を一般向けの体操として、親方が指導してくれている動画だ。相撲のラジオ体操のような感じの動画だ。朝ごはんが終わってから、15分の動画を見ながら一緒にお相撲体操をした。今日で三日目だ。

 今日は、息子と二人で電車でお出かけをした。総武線の両国駅を通る。あの緑色の屋根が、お相撲をする場所だよと教えてあげた。そしたら、ちょうど両国駅で、着物姿のお相撲さんが一人電車に乗ってきた。髷を結っている、本物のお相撲さんだ。お相撲さんは、座っている息子の前に立った。息子が「うわ、お相撲さんだ」と言ったら、ニコッと笑ってくれた。息子はお相撲さんの大きな身体をしげしげと眺めた。

 お相撲さんはそこから二駅目で降りて行った。降り際に息子をふりかえって、小さく手を振ってくれた。お相撲さんを見送った後、息子は「今度お相撲見に行こう」と言った。


ご参考までに。お相撲体操はこちらです。

YouTube:【#おうちで運動】毎日元気!相撲健康体操!
https://www.youtube.com/watch?v=m8W5BE6Wxeo



すごくさりげない日記で、どこからどこまでが起こっていないことなのか本人しか分からない絶妙なバランスがいいですね。


そんなこと起こってない日記を書いてみて、そんきょさんからこんな感想をいただきました。


 講座の前に何度か書こうとしたのですが、全然書けなくて、当日も、「こんなんしか思いつかない〜」と思いながら書きました。でも、面白かったです。なんだかちょっと、”小説を書く”という世界のはしっこに、半歩足を入れたような気分でした。創作するということは、すごく遠いことのように思っていたのに、ちょっと足をまたぐだけでよかったみたいな、そんな風に身近に感じられました。

 そして、書こうとすることって、やっぱり自分の願望が反映しているなと思いました。子供が伝統芸能などの未知の世界を知ってくれるといいなとか、興味持ってくれるといいなといった、私の願望のようなものを、書きながら感じていました。嘘を書こうとしているに、そこに本当のことが混じるものですね。
また書いてみたいです。

たしかに!!

そんきょさんが言うように、起こってないことを文章に散りばめていくことは、小説を書くという感じに近いのかもしれません。
そういわれたら、私の好きな山本文緒の『ばにらさま』という短編小説を思い出しました。作品のなかに日記も出てきて、それがとても重要だったりする・・・

めちゃくちゃ納得です。


次回は、まさにその小説のような「そんなこと起こってない日記」をお送りします。

(ウララ)



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