「寺で出来る演劇『クォンタム・アリアの碧い首』」作演出・小野寺邦彦(架空畳)の後書き
新宿で、年末で、夜だった。
感染者数が少し落ち着いた頃合いを見計らって、極めて少人数でささやかな忘年会をした。
その席上で、数日前に誕生日を迎えた私に、日野さんはプレゼントをくれた。妙にリアルで怖い小鳥のオモチャで、ネジを巻くと、ピヨピヨピヨピヨーンと不安な声で泣くのだった。日野さんにとって、私は「これ」をプレゼントとして渡すことが相応しい人間なのであり、それはユニークな評価だ、と思った。少なくとも相手にまず好かれることが目的であったのなら、このようなプレゼントはしない。それ