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第34回 「体幹トレーニング」再考

今回は「体幹トレーニング」についてい話したいと思います。

「体幹」という言葉が、メディアや雑誌等で見ない日がないというくらいよく見たり聞いたりすると思います。
おそらく、日本人の8割は知っているのではないかなと思います(言い過ぎか笑)
しかしながら「体幹」が何なのか・どこなのか、これを答えられる方は2割くらいだと思います。
まずは「体幹」がどこなのかから進めて行きたいと思います。

●「体幹」とは

「頭部と四肢(上肢・下肢)を除いた部分」
と解剖学で定義をされています。


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おそらく皆さんは「体幹=インナーマッスル」と思っているかもしれませんが
実は「体幹」にはアウターの筋肉も含まれています。
では、「体幹」のインナーマッスルとはどこなのか?

●ローカル筋とグローバル筋

「体幹」に大きく2つに分かれます

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・ローカル筋 :脊椎に付着している筋肉
・グローバル筋:脊椎に付着していない筋肉

<代表的な筋肉>

・ローカル筋 :腹横筋・多裂筋・腰方形筋など
・グローバル筋:腹直筋・脊柱起立筋・外腹斜筋など

ここから少し深く掘り下げてお話しします。
では「コア」とは何なのでしょうか。
「コアトレーニング」と「体幹トレーニング」
何が違うのか・・・

●インナーユニット

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・腹横筋
・多裂筋
  ・骨盤底筋群
・横隔膜

4つの筋肉の総称を「インナーユニット」と言います。

4つの筋肉が脊柱をドーム状に囲い、腹腔内を引き締めて安定させたり、また緩めて柔軟にしたりと働いています。
この4つに筋肉を「インナーユニット」と言いますが、この部分のトレーニングをする際に「コア」「コアトレーニング」と言います。
※指導者・トレーナーによって解釈は分かれますが・・

●インナーユニットを鍛えるメリット

・体幹の安定
     ・パフォーマンスアップ
     ・怪我のリスクを減らす
  ・姿勢が良くなる
  ・腰痛などの改善

鍛えることによって様々な効果が期待できます。
しかしながら、深部の筋肉で見た目にわかりにくく効果も感じにくいです。
また、プランクなどの簡単にできるポジションもありますが、多くの方がそのポジションをとっているだけで、いわゆる「コアトレーニング」としての効果はあまり期待できないのが現状と思います。
特にこの「コアトレーニング」に関しては、アスレティックトレーナーやPTなどの専門知識を持たれた方に指導を受けることをお勧めします。

アスリートにとって「体幹トレーニング」がパフォーマンスアップには必要と多くの方が認識されています。
では、なぜ「体幹トレーニング」が必要なのか?

●なぜ「体幹トレーニング」が必要なのか

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人間は「1軸2足歩行」になります。
多くの競技は両足をついて行います。

上記の骨格を見てわかるように、脚の上に骨盤(股関節)があり、その上にいわゆる「体幹」があります。
また骨盤(股関節)は、外に向かってから下に向いているのがわかります。

例えば・・・

多くの競技は立って行いますが、両足ついて行うことは少ないです。
特に”走る”となると片足に全体重が乗ります。
ちなみに、走る際に片足には体重の3倍ジャンプは5倍かかると言われています。
(私は85kgなのでざっと425kg!?)

その体重は脚だけではなく「体幹」にもかかるということです。

「体幹」が弱いと、その体重が支えられないため不安定になってしまいます。
また、「体幹部」が不安定になるということは、腰痛などの怪我のリスクを高めてしまいます。


成長期の子どもで「分離・すべり症」などの症例を多く診ます。
1つの原因は「生活様式」が変わったことが挙げられますが、この「体幹」の弱さも原因となります。
体幹の筋肉が未発達なことで、アンバランスが生じ腰に負担をかけてしまっているということです。
しっかりと「体幹」を鍛えることが、自分の体重を支えるほか体幹部の安定性を高め怪我のリスクを軽減してくれます。

また、体幹トレーニングは「意識」をすることがとても大切なことで
「耐える」トレーニングではありません。
呼吸やポジションを意識しながら行うと効果が期待できます。

次回は「ドローイン」と「ブレーシング」についてお話しします。

広崎 哲也/Tetsuya Hirosaki
鍼師・灸師・あんま・マッサージ・指圧師
明治大学柔道部トレーナー(2002)
NTT -G Fukuokaラグビー部トレーナー(2003〜2013)
日野RedDolphinsラグビー部トレーナー(2014〜2016)
SuperFormula トレーナー(2013〜)
ボディケアマネジメント講師
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