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すでに「ひとり出版社」をやっていた

ハンドメイド作家のPlava Stabloこと、青木弘之です。

私は昔から本を読むことが好きなのですが、会社勤めのころは、本は買うのに読む時間がなく、部屋に大量の本が積み重なっていく、いわゆる「積ん読」状態になっていました。

2011年3月の東日本大震災の時、予想していたことではありますが、自分の部屋の中に積み重なっていた本の山脈が全て崩れ、唯一の平坦スペースであった布団の上にも大量の本が散らかっておりました。

後に、断捨離に目覚めた時、その大量の本のうち、明らかに読まないであろう…というものを、近所のブックオフに持って行ったり、古本屋さんに来てもらって買い取ってもらったりしました。

細かくは数えていませんが、単行本の他、文庫本や新書、雑誌や美術館の図録など合わせて、少なくとも2,000冊は手放したと思います。

かように本が好きなので、今もって本の購入は続いているのですが、会社勤めのころのように、財政面に余裕があるわけではないので、本の数が増えるペースは大分落ちたように思います。

また、昔は時間がなくて本が読めなかったのですが、このところは、歳をとって眼が疲れるようになったからか、集中力が落ちたからか、時間があっても本を読むことは少なくなりました。

その他、私は手製本を習っているということもあり、書店で売られている本以外にも、自分で製本した本がそれなりの量あったりします。

ここからが今回の表題にかかわってくるのですが、昨年購入した「本屋さんしか行きたいとこがない」(島田 潤一郎著・岬書店)という本を読んでいたところ、以下の文章に眼が止まりました。

以下、引用します。(「自費出版の話」より)

 出版というものの本質は、著者に表現したいものがあり、それを誰に頼まれることもなく書き続け、終わりまで書くことができたら、それを自らの手で組版・製本し、知人友人に渡すというところにあるのだと思う。
 もしかしたら、その過程のなかでは、最後の「渡す」部分はさほど重要ではないのかもしれず、自分の手元に一冊あるだけでもじゅうぶんなのかもしれない。

毎度宣伝しておりますが、私は現在「旅から生まれた豆本」というシリーズで、海外旅行先の写真集豆本を組版・プリントから製本まで全て一人で製作し、販売しております。

あれ???

先に引用した文章に書かれていることは、もう私自身やっているのではないか!と思いました。

もともと海外旅豆本を作るきっかけは、イベントへの作品出展のためだったので、一般への販売目的ではあったのですが、自分自身の旅の記録としても重要なものと考えています。

自分の作った豆本が、ひと様の手に渡るのはとても嬉しいし、ファンが少しでも増えてくれることを願っている一方で、もし売れなくても、自分のために一冊あれば、それはそれでもいいのかな…と思ってもいます。

売れなくてもいいとは、ハンドメイド作家としては姿勢が甘い、と思われてしまいそうですが、出来上がった本の内容と質には自信をもっていますので、自分の出来る範囲で宣伝しながら、ゆるゆると「ひとり出版社」を続けていこうと思います。

出版人の気分次第の不定期刊行ですが、これからも引き続き「旅から生まれた豆本」シリーズをどうぞよろしくお願いいたします。

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