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はぁ? 再入院? 聞いてないって!

やっと「認知症の病院に父を連れていく」と合意し、さて予約をしようかと思ったその瞬間。母から衝撃的な言葉がでた。

「5月はやめてね、お父さん、東京の○○病院に入院するから」

まったく聞いていない話だった。

父は30歳のときに糖尿病を発病。以来、血糖値があまりにも安定しない時は教育入院を受ける。カロリーコントロールが管理された食事により、血糖値が乱高下しないようにする。そして、退院後の血糖値コントロールを学んでもらうというのが主目的だ。

でも、入院は父のみならず、子供たちに大きな影響を及ぼす。

入院費の無心だ。

最初から「足りなくなりそうなの、助けてくれる?」と言われるのならまだいい。最初のうちは、母は「大丈夫、なんとかするから」とずっと言い張る。入院の見舞いも手伝いもしなくていいという。 だが、退院日になると「お父さんのところにきて」、さらには「入院費を支払って」と言ってくるのだ。入院費を払わないと退院させてもられないので、なんとか支払わなければならないという状況に、子であるわたしや姉、兄は追い込まれる。

さらには、母は入院費を払えない状況を父に隠そうとする。

「お父さんのいないところで」「お父さんには知られたくない」「お父さんに知られると怒られる」のオンパレード。そして、ヒステリーをおこし、「こんな生活したくない」「あんたたちはいいわよ」「なんでわたしだけこんな目に」という泣き落とし作戦に出る。

この行動のために、治療費だけでなく、数々の借金の支払いに駆り出されてきたのだ。わたしだけではない。姉は、会社の部署まで電話をかけてこられ、昼休みにお金をとりに来られることもあった。

そうはいっても、健康のことだ。仕方がない一面もあるだろう。だが、入院中は体調が安定したところで、退院すれば再びだめになる生活になるのだ。その繰り返しがまたあるのか、と思うとげんなりする。

「お父さんたいへんねー」というねぎらう言葉もでなくなったわたしは、「あーそうですか。 じゃあ、いつから入院するのか教えて。 入院に必要な荷物は先に病院にもっていくから」としか言えなかった。

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