見出し画像

本格的な認知症の介護がはじまった日

ずいぶんとnoteを放置してしまった。

昨年の父の退院と自宅介護のあとはごたごたともめていたのだが、
今の状態に比べれば「ちっっさいなぁ」ていうレベル。そうするとついつい書けなくなってしまう。

その頃の父は認知症といいつつも、そこにあったのは「まえと変わりのない父」だった。腰がいたいときは「いたい」といっていたし、無口なのはあいかわらずだったけれど受け答えができていた。

でも、それがおかしくなったのは今年の春先だ。

2月末。母から夜9時過ぎに電話がかかってきた。いつも朝7時など早朝に突撃電話をしてくるので珍しいなぁと思いつつ、電話を取ったら、母はあいさつもなしにこういった。

おとうさんがおかしい。

いや、前から言ってるよね、そういうこと。と、取り合わなかったら、母は、いや、今回は違う、と言って続けた。

「あんたが家に帰ってこないってすっごく怒ってるのよ」

実家に顔をみせにいく頻度が少ないという文句なのか?と思ったらそうではない。父は本気で、わたしが実家にまだ暮らしている高校生だと思いこんでいるらしいのだ。

父に電話口を変わってもらったら、いきなり怒鳴り声がした
「お前なにやってるんだよ、こんな遅くまで!心配しているだろうが!」

あ、せん妄だ。認知症の症状がでてる。
1月に会ったときはこんな様子はなかったのに、いきなり認知症が悪化している。
いったい何があったというのか?

ひとまず父には「今日は合宿だからね、帰れないの」となんどか繰りかえし言い、
その場を納めた。

その次の日にはせん妄の様子がみられない、とのことを母から聞いたので「一過性のもの?」と気楽に構えていた。

でも実際は父の認知症はここから激しくなった。

トイレが間に合わなくなる。
夜中眠れない。布団の上で、おむつを脱いでおしっこをする
母に「お前が悪いんだ!」と怒鳴る。
食事を拒否する。
インシュリン注射を拒否する。

5月にはとうとう、母の首を締めようとした。
薬を飲まない父を母が叱ったところ、「お前はなんでそういうことを言うんだ」と首を締めたらしいのだ。

毒親に会いたくない。だから介護をしたくない。という気持ちはかわっていなかった。でも、「事件は起こさない介護をする」と、姉と兄、そしてわたしは、目標をかかげていたのだ。それを考えると、これはもう少し親にかかわらなければいけない段階に入ってしまったと悟った。

本格的な認知症介護のはじまりだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?