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夜行行列その2

その後、相方が朝の7時半頃夜勤から帰って来た。

前回書いたかどうか忘れたけれど、今まで色んなものを見たり聞いたりして来た。

そのよくわからない対象に対して「やかましい!こっちは今寝ないといけないんだよ!」と怒号したりガン無視したりすることはあったけれど、怖いっていうのは中々なかった。で、後は脳がなかったことにして処理するので次に何か不可解なことがるまで綺麗に忘れる。

わー!おかえり!と珍しく駆け寄る私に相方がビックリしているので理由を話したところ、「へー・・・・・。」と考え込んで「それ、狐の嫁入りじゃないの?」と言う。

相方は可視化する方ではないけれど、エネルギーというか気配は感じられる人。

でも、見る見ないの差は大きくて、普段あまりそういう不思議なことを口にしない人だった。むしろ現実主義の理論派。よく分からないことは言わない。

その相方の口から狐の嫁入りと言う言葉が出るのはこれまた不思議で珍しいこと。

「ohzaちゃんこそ、怖いっていうの珍しいね。」

狐の嫁入りって天気雨のことを言うんでしょ?

「天気雨のときに多かったからかね?実際に行われていたのが。」

え?実際に行われていたの?!

「いや、わかんないけど。行列はあっちから来たんでしょ?○○稲荷の方向だよね。で、行列が向かっていた方向には○○神社があるよ。」

・・・・・。なーんか、質問と答えがずれているような。でも我に返って話を続ける。

あ、そうなの。でも、なんでちょっと様子を話しただけでそんなにスラスラ浮かぶの?

「そうなんだよね。凄くリアルに浮かぶんだよね。先頭は厳かで段々大騒ぎになって行くのは途中からどんどん色んなものがついて来るからだよ。くるくる踊っていたあたりまでは狐さん。」

だから、どうしてそれが分かるの?

「わからない。例えば大昔行列の中にいたからか、それとも傍で見ていたか。」

・・・・・・・・・。思わずしーんとなったのだけどそれ以上問う気になれなかった。どう見ても狐というより狸顔やん。目も顔もまん丸くてさ。なんで行列にいたの。と思ったのだけど、後から考えてみれば容貌で異議を唱えるのも変だ。

そう言えば私は昔よく病院で認知症の患者さんに「あら、綺麗な狐の子が来た。」と言われていた。間は空いていたけれど、3人別々の時期に入院していたおばあちゃんに。

「うん。きっと何かゆかりがあるんだろうね。」

なんだろ、ゆかりって。いや、わからん。

それはともかく仕事に行って来る。もう日は昇ったけれど、ゆっくり眠ってね。

おやすみ。いってきます。

しかしその後相方は行列の夢は見なかったが、金縛りにあったのだと言う。

相方の場合は異国、外国人の方々が沢山部屋に入って来てわいわい喋っていたと言う。

う。ついに部屋に入って来たか。狐じゃないけど何だかわからない異国の方々が。

しかし、そう答えている私の口が勝手にこう言った。

”インドネシアの神々だね。99人いたね。”

「う!なんでそう思うの?!」

何か突拍子もないことを言い出しそうで(自分が)、慌てて話題を変えた夜だった。

怖かったっす。自分も含めて。

どちらも悪いものではないのだけど、とりあえずお清めをしておいた。空気は綺麗にこしたことがない。

いやあ、すごい空気の一昼夜だった。

と、ここまでが1年前のお話し。

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