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覚悟を決めた夜

コロナ陽性者が一名発覚してからバタバタと画策する。
本日も臨時感染委員会は17時からだった。

でも、ご利用者様に体調不良者なし。職員も新たな発熱者もなし。
問題は、職員全員が受け続けている毎週のPCRの結果を待つばかりなのだが、これまた恐ろしい。

前回、感染者を多数出してしまったあの悪夢。あの時は20日連続勤務した。
しかし、今日は、シフト通りお休みをした。
じっと皆さんを見つめ、何か起こるんじゃないか?と待っていても意味がない。

時折心臓が早鐘の様に打つこともあるが、それでも、どうにかこうにか、正気で全員無事でこれを乗り切る策を考えている。

***
世の総理が銃弾に倒れたり、コロナが発生して対応に追われたりと、ろくなことがないわけだが、Kちゃんが「誕生日は時計にしても良い?」とまん丸い笑顔を見せて来る。

それだけならまだしも、分不相応な値段のカタログを見せて来る。
何をウキウキしているのだろう?自分だって管理職で内心戦々恐々として過ごしているのはないのか?今、この時を。

「そうだよ。もう終わった!って昨日は思った。でも、頑張って行こうよ。どうにかなるし、どうにかして行こう。で、この時計なんてどう?」

心のイガイガが取れて行くのは、現状が何か変わったからというわけでもない。
ただ、どんな時も、大らかに過ごしているこの人を見ていると、優しい雨がイガイガを潤してくれたり、静かな突月が優しく照らしてくれているかのような感覚に陥る。

誰にでも大変なことはある。
そして、大変な時こそ、その人の真価が問われる。いや、問われやしないか。
有事の時は、問うまでもなく、その人が丸見えになる。

さて、私はどんな姿に見えているんだろうか。
さあ、来い。コロナ。

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