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低温火傷

バタバタしているうちに明日から11月。

1日から、施設のとあるシステムを新しい方法に変える。前々から話し合ってのことだった。

それ以前の古いやり方は、誰か個人のためだけに便利だというだけのシステムだった。

そのせいで皆が利用者様のご状態を把握できなかった。

まずはそこから業務改善しなければならなかったのだが、新しいことを取り入れるときというのは、必ずと言って良いほど邪魔が入る。

ほとんどが少数で、前のやり方を自分だけに都合良く仕立て上げて来た張本人だ。

それが何十年か経つうちに自分の中ですっかり正義になってしまうらしい。

人というのは、周りに合わせて貰っているうちにそれがあたりまえだと思うらしく、次々と注文をつけて来るし不平不満を言い続けるようになる。

その特権が一気に取り上げられるものだから、まだ始めてもいないうちから重箱の隅をつつくかのように毎日うるさい。

皆さん面倒臭いものだから従って来たのだけど、そろそろ終わりが来ている。

変わるということは、それを提案した方にとっても未知のことだし少し怖いことでもある。

しかし、冷蔵庫の隅で何十年も前に賞味期限切れになっているような方法で利用者様のケアに関わるには、もはや世の中は先を言っている。良い方法がどんどん出てきているので工夫の前では腐ったバターを押し付けられてもよけるばかり。

ヒステリックになるばかりでは通らないことが世の中にはある。

思い通りにならないとすぐに企業や世間を恨む人の特徴に辟易している。ただの我儘も過ぎれば冬の腐れものになる。
その凍傷は暑い時期のそれより質が悪く深いものだと知っているので、こちらも覚悟している。

何のために?誰のために?を間違えると、人間は間違った歳の取り方をしてしまうのかも知れない。

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