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毒舌のままに後悔を

私は提携病院の悪口ばかり言っている。

と言うと、少し言い過ぎだな。それと同じくらい頼りにしている。頼りにしているものだから、間違った診断や患者・利用者に無礼な所業を見ると怒ってしまう。

まあ、それはさておき、今日、とある人を外来にお連れした際、Y先生が私に『お世話になりました。実は・・・・、今月いっぱいで辞めるんです。』と深々と頭を下げる。

え?と驚いた。いや、実は知っていたのだけど、信じていなかったので本人から言われると余計に驚いた。

先生、それは違うと思いますよ!とか無礼なことを言ったこともあった。『そこを一つお願いしますよ。生保だと熱が入ってないんじゃないですか?』と無礼どころか慇懃無礼なことを言ったこともあった。

どうして?と思わず口をついて出た。しかも『辞めてどうすんの?』とも。

若くはない先生なのだが、余計に皺皺に見えた。『うん、考えてる。実は実家が福岡なんだ。そっちに医院があるし。いやあ、お世話になりました。』

ちょっと動揺を抑えなければならないのは、目の前に自分がお連れてして来ている利用者さんが居るからだ。『次回は7月4日ね。』と予約日を知らされて『その時、もう先生、居ないの?』とまた余計なことを言ってしまった。

しかし先生は何故だか嬉しそうに、『新しい先生にちゃんと言っておく。大丈夫。』と笑った。

無礼者の私が言うのもなんだけど、頑張っていない人なんて居ないのだ。ごめんよ、先生。何度も立てついて。高齢者を沢山救ってくれてありがとう。

『それはあなたが煙たい人でいてくれたおかげだよ。』

もう私だってお婆ちゃんに近いおばさんなのに、またしても思ったのだ。出会いを大事にしなければならないと。もっとお礼がしたかった。そう後悔する前に。

先生のこれからが良き人生でありますように。

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