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#08Plat Fukuoka cargobike styleという選択肢

Plat Fukuoka cyclingは福岡がbicycle friendlyな都市(まち)となるための様々な提案を行っていきます。

bicycle frendlyというと「自転車にやさしい都市」となると思いますが、私は「自転車がやさしい都市」になってほしいと考えています。それは歩行者に対しても、バイクやバス、自家用車…つまりは都市に対して自転車がやさしくできる都市でありたいと思うのです。

Plat Fukuoka cyclingの目次は下記よりリンクしていますので、ご覧ください。(随時更新)

0.Plat Fukuoka cyclingの描く未来
1.Copenhagenize Index2019を読む
2.Plat Fukuoka books&cycling guide
3.Plat Fukuoka cargobike style
4.Fecebook ページ
――――――――――――――――――――――――――――――――――「Plat Fukuoka cargobike style」は自転車のなかでもカーゴバイクをテーマに日常風景としてカーゴバイクがある福岡の街を目指して、その魅力を紹介していきます。

 先に紹介したCopenhagenize Indexにおいてもカーゴバイクの個人および貨物輸送での利用が都市景観において日常の風景として認識される都市への評価は高くなっています(1)。つまりカーゴバイクが日常風景として走る都市はそれだけ走る環境や駐輪スペースが整備されていることを示しているからに他なりません。

 「Plat Fukuoka cycling」は福岡がbicycle friendlyな都市(まち)となるための提案を行っていく上で、カーゴバイクにもスポットをあて、その可能性を追求していきます。

○カーゴバイクとは
 カーゴバイクとはカーゴ(荷台)の要素に特化した自転車です。今でも郵便配達で使われている実用自転車や運送会社などで後ろにリヤカーを引いた自転車もカーゴバイクとなり、日本に全くない種類の自転車ではありません(2)。ただ欧米では重い荷物でも安定するように車輪の間を長くし、車体も通常の自転車よりもはるかに長い自転車が多く市販され、自動車に十分代わりうる性能を有していることに大きな違いがあります。欧米ではすでに自動車からカーゴバイクでできる移動はカーゴバイクにシフトする動きが活発です。(3)

○Game changerとしてのカーゴバイク BULLITTカタログより

筆者が使用しているカーゴバイクはCopenhagenize Indexで取り上げているデンマーク王国の首都コペンハーゲンにあるBULLITTというメーカーのカーゴバイクです。

BULLITTのカタログにはカーゴバイクへの野心が伝わる内容ですので、意訳の上、紹介いたいます。
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(以下はBULLITTカタログ記載の内容を知人で国際経験豊富な横田美香さんの協力の上で意訳しております。転載等する場合は本サイトのプライポリシーを参照ください)

・BULLITTとは
 このBULLITTというカーゴバイクはLarryとHarryによって開発されたものです。コペンハーゲン出身で古くからの友人であったLarryとHarryはいつもできることはすべて自転車で行っていました。それはただ、緑を感じられ、涼しく、お金もかからず、それでいて早く、都市を移動する上で快適だったからです。
 Harryは大工職人で、60年くらい前のデンマーク製のLong Johnというカーゴバイクで仕事場から仕事場への移動を20年ほどやっていました。Larryはある自転車メーカーの技術者として、3輪のカーゴバイクの開発に携わっていました。ことの発端は、Harryの古いLong Johnは早く、軽く、運転しやすいことに気が付いたことだった。そして、LarryとHarryは2007年に2輪のカーゴバイクを作ることに決めたのでした。Larry vs HarryはただLarry vs Harryのためだけにつくられ、初期のBULLITTであっても10年以上は世界中の道でテストされてきました。

・そしてeBULLITTが登場することになる
 LarryとHarryの計画は自転車が都市の中で自動車に代わる機能性を獲得することであった。しかし、その機能性をもつものはすでに存在している。
 ただこの挑戦は自動車社会に立ち向かうことであり、そう簡単に乗り越えられるものではない。自動車の問題は車体価格の高さ、ガソリン代、各保険などにかかるコスト、自動車一台に使われるスペースの多さと終わりなき交通混雑とその排気ガスによる汚染がもちろんある。BULLITTは実用的で、環境にもやさしく、迅速で、安全で、スタイリッシュに問題を解決することができるツールなのである。
 BULLITTは目的地まで早く、そして気持ちよく到達できるだろう。実際にBULLITTはお父さんお母さんが子どもたちを乗せたり、食材を積み込んだりしている。商売する人は自身の道具をBULLITTで運んでいる。運送業者やメッセンジャーは貨物自動車からBULLITTを使っている。世界中で人々の通勤でも使われている。

 BULLITTカーゴバイクはゲームチェンジャーである。直接使用するエネルギーの少なさ安さやサイクリングによる健康、そして時間短縮を比較することでわかるだろう。
(意訳ここまで)
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 Long Johnというのはデンマークなどで昔から使われてきた運搬用の自転車になります。彼らはLong JohnをベースにBULLITTを現代風にフレームを設計し、開発にこぎつけました。
 古きものから着想を得て、一度自動車に取って代わられた機能をアップデートすることで再び都市の中での自転車の可能性は多いに期待できるものと考えています。

 不定期での連載になりますが「Plat Fukuoka cargobike style」は福岡の街の風景にカーゴバイクが日常に風景になるため今後もカーゴバイクにの魅力や可能性を紹介してまいります。
 なお、筆者は朝夕の時間帯を中心に、不定期で天神までBULLITTで通勤しております。
お見掛けの際はお気軽にお声がけください。
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〈参考文献等〉
(1)#04Copenhagenize Index2019を読むPart2 ランキングの方法論にて、評価軸(パラメーター)の9つ目にカーゴバイクの普及が明記されています。
(2)日本では自動車が普及する前の街の物流には実用自転車が使われました。郵便自転車よりも重いものを運ぶための重量級も存在しました。エリック・オッシング氏のサイト昭和自転車「昭和自転車 Vintage Japanese Bicycles」はその時代の一級品に関する記事を継続して連載されています。

(3)「NY市、カーゴバイクでの配送を試験導入」(Mashup NY、2019.12)
https://www.mashupreporter.com/nyc-cargo-bikes-delivery/
ニューヨークにてアマゾン、UPS、DHLの大手物流企業が参加(日本でいうと郵便、ヤマト、佐川)し、特に混雑するエリアでの配送実験をスタート。カーゴバイクの導入は市の掲げる2040年までに二酸化炭素排出量をゼロにする取り組みの一環でもあり、社会実験ではありますが、日常のトラック配送が自転車に置き換わっています。





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