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脳は騙されてなんかいない?! ー立体錯視の最前線 @ 明治大学博物館

 鏡の中に映っているのは、思っていたのと違う物体。

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 こんな不思議な作品を目の前で体験できてしまう展示が開催中です。

立体錯視の最前線 @ 明治大学博物館

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 冒頭に書いた鏡を使った錯視だけでなく、不可能図形を立体で再現した錯視や、ありえない動きをつくってしまう錯視など、様々な立体的な錯視の作品が並びます。

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 例えば、横から見ると中央が凸になっているこちらの立体。

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 両目で見れば上から見ても中央が凸に見えるのですが…

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 片目で見た瞬間に中央が凹んでいるようにしか見えなくなってしまいます。(つまり、カメラで撮るとどの角度から撮っても中央が凹んでいるように見えてしまいます…写真では伝わらない…!)

 こういった立体錯視のなかでも特に面白かったのが、鏡を使った立体錯視。

 鏡の中と外で全く違う形に見えるものや

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(魚がチョウチョに?!)

 本来は鏡面で対称に見えるはずの形が、非対称の図形を作ってしまうもの

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 鏡の中と外で動物が違う場所にいるように見えるものなど、鏡を使った中にも様々な錯視があります。

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 会場の中には立体錯視の分類も。こんなにたくさんの種類があるとは…!

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 このほか、回転させても同じ方向を向き続ける矢印など、触って体験できる立体錯視もあります。

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 画像や映像で見ると、「不思議!」と思う錯視も、実物を様々な角度から見ると「なるほど!」となるのですが…いやでも、タネがわかってもやっぱりスゴい…と思ってしまいます。

印象的だったのは

「奥行きのある3次元の世界に住む私たちの脳にとっては、立体としての大きさや形を正しく認識することが重要であって、それを投影した画像の上での図形の大きさや形がおなじかどうかはどうでも良いことである。だからこれらの錯視は、脳が正常に働いた結果であり、脳の誤作動と呼ぶのは脳に対して失礼であろう。」

という解説。”騙されて”いるのではなく、合理的に機能した結果としての錯視なんですね。

 小ぶりな展示室ながらも、本当にいろんなタイプの錯視の作品が所狭しと展示されていて見応えある展示でした。

 「立体錯視の最前線」は9/8(日)までです。

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【展示概要】 見えているのに見えていない!立体錯視の最前線 @明治大学博物館

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会期:2019年7月13日~9月8日
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:8月10日~16日、18日
観覧料:無料

 本展では、錯視研究が始まったきっかけや、錯視とはなにかを考え、錯視を研究する社会的意義を明らかにするもの。立体錯視の具体的な数理モデルを提示し、シミュレーションによって発見された錯視の数々を解説する。


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