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佐賀市で 気になった建築 3つ (佐賀県 佐賀市)

 前回、岡山市で近代建築巡りをした際には、予め調べてから巡ったのですが、今回 佐賀市内では、市内を歩いているうちに気になる建築を3つ見つけました。

① 佐賀県立博物館(高橋靗一(第一工房) + 内田祥哉)
② 市村記念体育館(坂倉準三)
③ 佐賀県立図書館(高橋靗一(第一工房) + 内田祥哉)

① 佐賀県立博物館(高橋靗一(第一工房) + 内田祥哉)

 今回の旅行の目的のひとつは佐賀県立美術館での展示だったのですが、その隣にあって引き寄せられてしまったのがこちらの建物。

 1970年竣工で、設計は高橋靗(てい)一氏(第一工房)+ 内田祥哉氏。

 大きなピロティの天井部は格子状。十字型のコンクリートを基本単位として、これを多数連結した構造になっています。

 建物の内部に入ると、ロビーを中心に四方に階段が伸び、建物全体がまた大きな十字の構造になっているのが面白いです。

 階段の手すりは、ワイヤーを引っ張ったようなつくりになっていました。

 もともとは美術館の機能も担っていたようですが、1983年に隣に佐賀県立美術館が建てられ、こちらに美術館の機能が移管されたそうです。

 佐賀県立美術館とは通路でつながっていて、建物のデザインも少しつながりが感じられるようになっていました。(こちらの設計は別のようです。)

 今回初めて知ったのですが、隈研吾氏や原広司氏は内田祥哉研究室のご出身なんですね。

② 市村記念体育館(坂倉準三)

 街歩きをしていて 遠くからも見える"蛇腹"のようなつくりが気になったのがこちらの建物。1963年竣工で、設計は坂倉準三氏。ジグザグとした外観が特徴的です。

 面白かったのが階段の部分。横から見ると同じ厚みの段が続いているようですが…

 裏から見ると…

 中心部が太くなり、厚みの異なる三角形を並べたつくりになっていました。なんだか背骨のようで、生物のようにも見えてきます。

 現在は「肥前さが幕末維新博覧会」のメインパビリオンになっており、全体像は見づらかったのですが、建物内にあった模型を見ると、造りがよくわかります。佐賀県内唯一の吊屋根工法の建物なのだそうです。

 建物の2階。天井の上のジグザグは体育館の観客席部分でしょうか。

 老朽化のため、維新博の終了後はスポーツの利用を停止する予定とのことです。

③ 佐賀県立図書館(高橋靗一(第一工房) + 内田祥哉)

 こちらは、市村記念体育館のお隣の建物。1962年竣工で、設計は佐賀県立博物館と同じ高橋靗一氏(第一工房) + 内田祥哉氏。

 国立国会図書館のような、大きなバルコニーが張り出したつくりが気になりました。

 また、階段にちょこんとタイルが埋め込まれているのがなんだかかわいらしいです。

 1F部分は、一部リノベーションされていて、外側にカフェやテラスなどが拡張されていました。(写真撮り忘れ…)

 これら3つの建物は、歩いて10分ほどの範囲にあるのですが、もともとこの一帯は佐賀城の城跡なんですね。(お堀の内側にあります。)佐賀県庁、合同庁舎、放送局、小中高の各学校などの公共施設がこの城跡内には集まっていました。


※ このnoteに書いた建築の場所をgoogleマップにまとめました。


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