見出し画像

《宇宙の罐詰》(赤瀬川原平/1964)を切りました。 (展開図15)

《宇宙の罐詰》 (赤瀬川原平/1964)を切りました。

画像1

撮影した写真をphotoshopで加工するみたいに。常識的なモノを写真に納めて、介入して、もう一度現実世界に戻したら、超常識的な現実が見えてこないかな という、ナンセンスの練習

このマガジンの中で、いろんな缶詰を作ったり・切ったりしてきて、例えばキャンベルスープを切ったりもしてきたのだけど、そうしたらやっぱりどうしても触ってみたい憧れの缶詰があって。

それは、赤瀬川原平さんの《宇宙の罐詰》(1964)。

宇宙の罐詰

 "そこで私は蟹罐を買ってきました。そして罐切りで開けて中の蟹を食べました。蟹は私の体内に収まります。でその蟹罐をキレイに洗いました。それからレッテルを剥がし、もう一度キチンと糊をつけて、その罐の内部に貼り直します。で開けたところをもう一度戻して隙間をハンダで密封します。
 その瞬間!この宇宙は蟹罐になってしまう。この私たちのいる宇宙が全部その蟹罐の内側になるのです。"
(写真とともに 「東京ミキサー計画―ハイレッド・センター直接行動の記録」 / 赤瀬川原平 より)

こんな感じ? 左が蟹罐。右が宇宙の罐詰。

画像3

でも、ラベルのない缶詰の中身が本当に《宇宙の罐詰》かどうかなんて、あけてみないとわからないし。でも、開けたらもう缶の内と外の関係は崩れてしまうし…

… そうだ、切ってみよう。

画像4

画像5

「どうも、蟹です。こんにちは。」

斜めにも切りますよ。

画像6

それでもやっぱり、一度は缶切りで呪縛を解いてみたい。

画像7

なので、缶切りで開けてみました。

画像8

画像9

「どうも、蟹です。こんにちは。」

もし《宇宙の罐詰》の中に蟹が詰まっていたなら、宇宙が蟹。宇宙蟹ではなく蟹宇宙。

グレー

…それにしても、今回は、今までで一番制作費のかかる工作でした…
カニ缶なんて初めて買ったけど、1缶1400円くらいするの… こんな高い缶詰を食欲以外の目的のために買う日が来るとは…(中身はちびちびと美味しくつまみました。)

グレー

展開図です。

 A4でプリントすると、実物の90%のサイズになります。

1. そのまんま蟹缶

全体-A4(90%)

2. 宇宙の罐詰

全体-ura-A4(90%)

3. 縦にカット

※糊代がかくれるように貼り合わせてください。

縦-A4-前面(90%)

画像14

4. 斜めにカット

斜め-A4-ue(90%)

斜め-A4-下(90%)

5. 宇宙蟹の罐詰

全体- ura-A4-0pen(90%)

 "芸術というのは非常に難しい言葉です。罐詰食品みたいな言葉です。缶切りで罐の口を開けたとたんに、そのときから中身の芸術は少しずつ腐り始める。"  (「東京ミキサー計画―ハイレッド・センター直接行動の記録」/ 赤瀬川原平より)

グレー

※ これまでにつくったものは、こちらのマガジンにまとめています。


最後まで読んでいただきありがとうございます。良かったらサポートいただけたら嬉しいです。サポートいただいたお金は 記事を書くための書籍代や工作の材料費に使わせていただきます。