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毛豆【青森県津軽地方】(枝豆/大豆の未成熟豆)

日本では、「大豆」は豆類に、成熟する前の状態「枝豆」は野菜類に分類されている。
基本的な情報は、大豆について記載。

大豆
枝豆

<基本情報>


【ダイズ】大豆
学名:Glycine max (L.) Merrill
英名:soy beans
マメ科ダイズ属
原産国:東アジア
主な生産地:北海道、宮城県、秋田県、滋賀県、青森県、新潟県など(農林水産省2021年)
紫色か白い花を咲かせる。

大豆の原種は、日本でも自生する「ツルマメ(Glycine soja)」とされる。大豆が日本に伝わったのは中国からと言われ、伝わった時期も特定されていないが、縄文遺跡からの出土で、少なくとも縄文中期から後期には栽培されていたことが近年明らかになっている。

大豆は、大きくは3系統に分かれ、黄大豆、黒大豆、青大豆のほか、茶、白、青大豆の一部が黒い鞍掛豆等がある。

鞍掛豆(くらかけ豆)

【枝豆について】


「枝豆」の英名は、そのまま「Edamame」や「Green soy beans」と呼ばれている。

大豆は昔、田んぼの畔に植えられていたことから「畦豆(アゼマメ)」と呼ばれていた。後に17世紀、江戸時代から未成熟豆が食べられるようになったとされ、枝付きのまま、路上での販売もされるようになり「枝豆」と言われるようになった。

一部トリミング
歌川豊国画《絵本時世粧(えほんいまようすがた) 》より「枝豆売り」
1802年 メトロポリタン美術館蔵

枝豆の主な栄養・フィトケミカル


大豆同様、良質なたんぱく質が豊富。大豆にはあまり含まれていないビタミンCやβカロテンが多く、他のビタミン類や食物繊維、カルシウム、鉄、葉酸なども豊富である。

特徴的な点は、ビタミンB1とB2も豊富で、新陳代謝を上げる働きがある。
ビタミンB1、ビタミンCと共にアルコールの分解を促し肝機能の働きを良くするアミノ酸の一種「メチオニン」が含まれる。

さらにはシジミで知られる「オルニチン」も豊富で、特に後述の「だだちゃ豆」にはシジミの数倍含まれているそう。

他には大豆サポニン(抗酸化作用等)、大豆レシチン(コレステロール排出等)、オリゴ糖(整腸作用等)が含まれる。

一般的な枝豆
青森の毛豆(写真提供元・株式会社コンシス「えだまめ日和」)

各品種と青森の在来種


国内の大豆の作付け面積60%を占めている品種は、ほぼ5種(フクユタカ、ユキホマレ、里のほほえみ、リュウホウ、エンレイ)であるが、枝豆用の品種は400種以上あると言われている。

自家消費、地域内消費のために農家同士で受け継がれてきた在来種が多く、近年ではそれらをブランド化する動きが多い。

だだちゃ豆

その代表的な在来種を以下に4種を挙げる。

  • だだちゃ豆(山形県鶴岡地区周辺)

  • 黒埼茶豆(新潟市西区黒埼地区)

  • 丹波篠山黒大豆(兵庫県丹波地方)

  • 小糸在来®(千葉県君津市・小糸川流域)

青森県の在来種としては「毛豆」がある。
茶褐色の毛に覆われており、粒が大きく、コクと甘味が強いとされる。

左が一般的な枝豆。右が毛豆。筆者が初めて育てた2013年頃

最後に
これだけ種類があり、大豆からできる各調味料や豆腐・納豆など通年で需要のある日本国内でも、食用自給率(製油用を除く)は2割強程度。8割近くがアメリカ、ブラジルなどからの輸入である。

<参考資料>
JAグループ「国消国産」ウェブサイト
大塚製薬 栄養ラボ
農林水産省「大豆のまめ知識」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/daizu/d_tisiki/index.html
株式会社コンシス「えだまめ日和」

毛豆の超・素朴なおやつとおつまみ、スープをどうぞ。


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