「1/fゆらぎ」以上を体感した日。ボタニカルキャンドル作りと炎の揺らぎ。
2021年10月2日(土)青森大学付属総合研究所SDGs研究センターで行われた【火の文明学 シリーズ勉強会】の4回目、キャンドル制作ワークショップ+夜の部・焚き火の前でディスカッションに参加してきた。
主催:青森大学社会学部教授 SDGs研究センター長 藤 公晴 氏
講師:キャンドルアーティスト 安田真子氏(YOAKEnoAKARI)
植物をつかった装飾を得意とする青森県在住のキャンドルアーティスト。
「これ参加しませんか」と友人から送られてきたメッセージのリンク先を開くとキャンドルに美しい植物。
▼こちらは参加者の作品
はい、行きます。即答です。場所は近所と言える範囲、そろそろリフレッシュが必要というタイミング。今の世の中、興味あるテーマで人が集う機会を逃してはいけない。事前に撮影しまくる許可をいただき参加です。
▼藤先生
コロナウィルスの影響が少し落ち着いてきた時に開催され、ご夫婦、親子、お一人様の参加者で満員御礼。ワークショップの内容は、好きな植物を選びキャンドル本体の周りに装飾をして、型との間に蝋を流し込んで固めて出来上がりというもの。
クロモジ、野ばら、藍、ホオズキ、山椒、コリアンダー等々、種類も豊富のこのドライフラワー、ドライハーブを見ただけでテンション上がる。関係者の方の持ち込みで自宅周辺のものばかりだとか。さすが青森。
選ぶところからもう楽しい!参加者の皆さんの表情も明るく生き生きして見えた。地元の植物に触りながら、さぁどんなデザインにしようかな?と頭のなかの余白部分を解放するような時間。これ大事。
いろんなことで煮詰まっていたのだけど、そうか植物に触れていなかったのだとカラッとした葉っぱや野花に触り、ハーブの香りを嗅ぎながら思い出していた。
どんな感じで作るのか?が気になる方はこちらでチラッとご確認ください。
完成後。
それぞれの個性がキャンドルという立体フレームに。世界で一つだけのオブジェ。講師であるキャンドルアーティストの安田さんは「もったいないと言わず、灯して楽しむのがキャンドル。ぜひ使って」と。
安田さんのプロフィールにも、日々楽しんでいることが垣間見れる魅力的な一文が。
見慣れた風景の中から日々、小さな恍惚を拾い集めながら小さな世界を探検している。
「小さな恍惚」。恍惚とは、"心を奪われてうっとりするさま"(小学館・大辞泉)。「リラックス」や「高揚」とも違う状態。
変わらない(ように見える)日常の中で毎日探検をしている。探検というからには、「!」もたくさんあるに違いない。頭の中を覗いてみたい。
このワークショップには夜の部もあり、焚き火の前での語らいの場が用意されていた。自分はちょっと撮影だけして帰るつもりが、その「小さな恍惚」で動けなくなってしまった。
恍惚は英語で「ecstasy」。もともとは宗教儀礼時の心理状態を指していたとされる。「火」も古代では聖なるものとしても信仰の対象であった(五輪聖火が分かりやすい)。
この勉強会「火の文明学」の趣旨は、
脱炭素社会に向けて、"「火」の文化的位置づけに着目し「暮らし」や「地域社会」「教育の方向性」について話し合う"。
現代において「火」はエネルギー問題の一つであるし、昔と違って気軽にその辺で焚き火も(花火も)出来ない。(今回は大学側で届出済)
改めて思うととても貴重な時間をもらった。恍惚は予想外だったけど。
勉強会でも少し出た話題。「文明」はヒトの「火」の発見、利用することによって始まった。そして「木」を擦って火を作り出す方法まで発明。ヒトがそもそも持っている好奇心で、料理や暖をとる以外にも、火遊びもしただろうし、こうして集いの場の中心に炎があったのだ。
私たちは自粛生活やその解放に向かう今も、皆キャンプを楽しみ、サウナが流行り、薪が販売されているのもよく目にするようになった。
デジタルだなんだと言ってもちっとも変わっていないではないか。むしろ原始に還ろう的な。
そのただパチパチと燃える様をご覧ください。
(安田さんの屋号「YOAKEnoAKARI」由来のお話が少しだけ聞こえます)
1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)とよく聞きます。
あちこち森に入ったりの植物活動をするようになってから、忘れていたその効果を全身で感じるようになった。
渓流や波の水面の動きと音、木漏れ日、樹木の枝葉がカサカサする音、鳥のさえずり。家の中にいても夏から初秋の夜は虫の声。今は白鳥の声がする。
あまり音楽をかけなくなったのもそのせいかもしれない。
▼こんなのもかな。この動作を数秒ごとにずっとやってて、ずーっと眺めてた(青森市浅虫11月1日撮影)
1/fの「f」は、周波数(frequency)。脳内でα波が広がり身体にリラックス効果を生む。心臓の鼓動も1/fで揺らいでいる。
連続性を持った不規則な変化と動き。それは音だけでなく樹木の年輪、切り出した木目にも。長ーい年月のリズムが視覚情報となって現れている「揺らぎ」。木製品で癒されるのは、手触りや香りだけじゃないってことを実はいま知ったのだった(笑)。
▼いつかの風間浦村・畠山商店の杉材
でも揺らぎ効果の最たるはやっぱり「炎」な気がする。リラックスを超えて恍惚だもの。焚き火は無理でもキャンドルという手がある。これからの季節にもとてもいい。ちなみにYOAKEnoAKARIの商品はものによっては数ヶ月待ちのこともあるとか。
帰り道、とてつもなく眠くなり、帰宅後すぐに寝てしまいたかった。
だけどせっかくのα波大脳が、炭の匂いに邪魔されてしまってたのを食い止めるため、シャワーを大雑把に浴びてそのまま泥のように眠った。
静かな夜、五感が冴えわたったあと、寝不足でもなくアルコール摂取もないのに、1/fゆらぎも恍惚も超えてひたすら眠い。こんなことは数年ぶりだった。
▼木目が生かされてる青森県産材の木製品はこちら。燃やしちゃだめよ!
私も自分に買いました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?