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発電機の脱調(同期外れ)について

今日から日々の業務で学んだことをnoteにまとめていきたいと思います。走り書きのような形になりますが、ご容赦を。

本日は発電機の脱調現象についてです。

脱調とはwikiによれば「負荷や電源の著しい変動で同期速度が保てなくなったときを同期はずれまたは脱調という」みたいですね。

火力発電所やバイオマス発電所で使用される蒸気タービン発電機は、蒸気によってタービンを回し、同期発電機を使用して発電がおこなわれています。この同期発電機は電力系統に接続される場合、系統に悪影響を与えないよう同期がとれていることが絶対条件になります。

「同期がとれている」というのは系統からの電力と同期発電機の作る電力の位相周波数が一致している、ということです。系統側(電力会社など)の発電機、事業者側の発電機、これらが互いに協調して発電しているということですね。

正常な状態であれば同期を保って発電し続けるのですが、配電線路などに事故や故障が発生すると困ったことになります。

例えば系統側で何らかの事故が起こり、それまで発電機にぶらさがっていた負荷が急に少なくなってしまうケース。それまで負荷に電力を供給していた発電機からすると、突然電力を送り先が減ったことから、電力を持て余してしまうわけです。簡単に言うと、タービンを回すエネルギー(機械的入力) > 発電機の発生電力(電気的出力) という関係が成り立つ状態。

蒸気タービン発電機であれば、タービンに送る蒸気量を抑えることで、タービンひいては同期発電機の回転子の回転を抑えるのですが、一瞬のうちには対応できません。そうなると同期発電機の回転子は負荷が軽くなったことからグングン回転速度を上げてしまい、系統と同期がとれなくなる。

このような状態を脱調と言います。特にこの例は同期運転に比べ進み位相となる加速脱調と言い、逆に負荷が過大すぎて発電機が過負荷となり、同期運転と比べて遅れとなる場合を減速脱調と呼称します。

こういった脱調現象が起こると、電力系統の電力品質や他の発電機に悪影響が出ます。最悪なケースでは連鎖的に発電機の解列が発生し、大規模な停電が発生することも。

脱調が起きた時には速やかに脱調している発電機を系統から切り離す必要があり、これをなすために保護装置が存在しています。

保護装置については次回触れたいと思います。

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