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『小早川家の秋』を観た。

仕事が休みだったためいつもより早く起きてトーホーシネマズなんばの午前十時の映画祭の小津安二郎監督作『小早川家の秋』を観に行ってきた。
午前十時の映画祭と言いながら8時50分からの上映である。トーホーシネマズなんばのこのプログラムはいつもは別館でやっていた記憶があるのだけど、『小早川家の秋』は本館のスクリーン8での上映だった。別館より本館の方が駅からも近くて良いので今後もそうならありがたい。
映画の方は伏見にある造り酒屋の一家のお話で、そこの当主である中村鴈治郎(中村玉緒の親父さん)が昔の浮気相手のところに頻繁に出かけるようになる。また、亡くなった長男の嫁と次女の結婚を企てたりとコメディタッチで家族の風景を描いていくのだが、小津安二郎独特のテンポやセリフ、カメラの構図が相変わらず連続する。
当主役である中村鴈治郎の演技が素晴らしくちょっとした動きが絵になる。義理の姉・原節子と次女・司葉子の二人の場面の会話も良く、二人同時にしゃがんだり、歩き出したりするところは観ていてワクワクした。何だろうなあの演出は。あと、新珠美千代の美しさに驚いた。
それと不思議なのが当時の飲み会の風景。司葉子演じる次女・紀子が行く飲み会、乾杯前に皆んなで合唱して、ちょっとしたらまた合唱してたけど、あれは当時の風習としてほんとうに存在していたのだろうか。だとするとちょっと引いてしまうけど。
当主と昔の浮気相手が一緒に行く競輪場は奈良競輪場だろうか。競輪場が映る前に「西大寺道」と彫られた石碑のカットがある。伏見から西大寺(平城)に行き、当主は大阪に行こうと言っていたが、結局祇園に戻りそこで亡くなる。亡くなるシーンは直接描かれてはいない。当主は落語の主人公のような人物だ。

映画を見終わってから天王寺に行き、スシローでお寿司を食べる。最後にラーメンを食べようか迷ったが回転寿司でラーメンを食べてもなと思い留まり腹八分目に抑えた。会計もスシローは無人なのだが交通系ICカードが使えず仕方なく現金を出そうとしたらギリギリしかなくて焦ってしまった。あまり行かない店は決済方法をよく見ておくようにしなければ。

帰宅してから昨日の『アンメット』を見る。
ラスト10分の若葉竜也と杉咲花との二人芝居は民放ドラマとは思えないクオリティで驚いた。映画でもなかなか見られない演技。これはすごかった。
そのあと、Netflixで配信が始まった映画『THE FIRST SLAM DUNK』を見る。
映画館で三度観たけど、それでもめちゃくちゃ興奮するのは何でだろうか。テレビ画面で見ても泣いてしまった。いやあ、傑作だな。