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今が、夢。

Akiko Kimura (joker)

「今後の展望について、どうお考えですか？」
不意にそんな質問を投げかけられ、言葉が出なかったのが、今年の頭のこと。
つい数週間前にも「将来的なヴィジョンはある？」という質問を受けて、返答に詰まってしまいました。

ただ、年初に質問を投げかけられたときには、こんなヴィジョンが瞬時に現れたのです。

肩にかかるくらいのセミロングヘアの女性が、日差しが降り注ぐ畑のような場所（複数の草花が育つ空間）に、背を向けて立っています。
女性は左手で水の入ったガラスボウルを掲げています。
それは明らかに、フラワーエッセンスを作ろうとしている様子でした。

ヴィジョンの中の女性が、私なのかどうかはわかりません。
けれど、彼女が着ていた服のシルエットは、私が持っている服とよく似ていたことを覚えています。

数週間前のときには、少し時間がかかったものの、このヴィジョンを思い出して、必死に説明を試みました。
けれど、紡ぎ出す言葉がスムーズでなかったからでしょう。
私の話に耳を傾けていた質問相手（友人）から「気負いすぎて重たい」とダメ出しされてしまいました。。。

正直なところ、これから先の夢とか目標といったことが、あまり明確になっていないのです。
年初で見えたヴィジョンはかなり鮮明でしたが、インスピレーションのような感じで、見えたのは一瞬だけ。
どちらかというと、これから先のことを考えようとすると、霧にかかったようにぼんやりしていて、まったく見通せないほうが多いのです。
それだからこそ、夏至のタイミングでやってきた季節のメッセージが、妙に突き刺さりました。

「魂の成長と、この宇宙の調和のために」
原点回帰のため、自分で意図設定したこのフレーズを改めて胸に刻み直したとき、今度は別な言葉が浮き上がってきたのです。
それは「精霊（スピリット）との共同創造」というもの。
植物や動物や自然界のエレメント、そして人の内面に宿る本性（魂）としっかり繋がって、この人生を、この世界をより良い形に創造していく。

そこで、そういえば……と、記憶を頼りに一冊の本を取り寄せ、読み進めました。
ウィリアム・ブルーム著の『精霊（スピリット）−共同創造のためのワークブック』です。

目に見えない世界の住人たちと手を取り合いながら、現実世界を霊的に生きていく。
英国のヒーラーでもある著者が示してくれた内容は、私にとっては知識としても体感としても、よく知っているものでした。
planet*plantの根幹にある想いを肉付けしてくれる本なだけに、このタイミングで読むことになったのは必然かもしれません。

夏至から始まった一連の流れに導かれるうちに、ぼんやりしていた今後の展望が見えてくるのかもしれないなぁ……と、そんなふうに受け止めていた矢先、今度はテレビから情報がもたらされました。
NHK「あさイチ」7月21日放送回のプレミアムトークに出演されていた、稲垣えみ子さんの発言に、霧が晴れたかのような思いになったのです。
（補足：7月28日までは、NHKプラスにて見逃し配信されています）

ミニマリストである彼女のライフスタイルは、前々からとても感じ入るものがあります。今の暮らしが雑多なものにあふれているだけに、もっともっと無駄を削ぎ落としてシンプルにしたくなりました（汗）。
でも今回、私の心に最も響いたのは、彼女の人生に対する姿勢です。

「今ここから先、またこういうこと挑戦したいなっていうのは、あるんですか？」
アナウンサーの質問に、稲垣さんはこう答えていました。

今ね、もうやりたいことは全部やっているので、将来の夢とかはないです。
今が、夢。ですかね。

2023年7月21日放送、NHK「あさイチ」プレミアムトークより

今が、夢。
そうか！と思いました。私にとっても、今が「夢」なのです。
もちろん、すべてが順風満帆というわけではありません。
けれど、これまで自分を信じて選択し歩む道の最前線に現在いるわけで、今の自分に十分満足しているのです。
日々模索したり、逡巡したり、葛藤したりすることさえ、私らしいと思えます。

今後の展望や将来の目標といったものを無理に作ろうとするから変に力が入る。
それならいっそのこと、将来の夢は「ない」と、はっきり言い切ってしまったほうが清々しいと感じられました。

やりたいことは全部やっている。だから、将来の夢はない。
だって、今が夢だもの。

逆説的になるけれど、今を存分に味わった先に、ヴィジョンで垣間見えたタイムラインがあるんじゃないかな……と、現時点では考えています。


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