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推し活でエネルギーチャージ~日本で生きづらさを感じている女の子に寄り添いたい

 ようやく秋の風を感じるようになってきましたが、本当に暑かった今夏。
国際NGOプラン・インターナショナルが運営するわたカフェのある池袋も暑かった、いや熱かったです。
 
 わたカフェのある池袋は言わずと知れた、推し活ショップのメッカ。
アニメはもちろんのこと、k-pop、ゲーム、映画、マンガ、などなど多くの推しグッズを求めて、たくさんの人が集まってきます。
劇場やカフェ、グッズショップ、ゲームセンターには開店前から行列ができているところも多数あります。
炎天下も何のその、推しへの愛に勝るものなし。
 
わたカフェに来る利用者も当然それぞれに推しを持っていて「推し活」も盛んです。
リュックやバッグについたかわいいキーホルダー、「これはだれ?」と
聞くと嬉しそうな顔をしてそのキャラクターについて教えてくれます。
推し活について語る表情は日ごろの悩みを一旦脇に置いて、明るくキラキラ輝きます。
 
推し活は「多様性の時代」を反映し、ありとあらゆるものが対象になります。
ゲームのキャラからボカロ、アニメの登場人物、Vチューバー、地下アイドルなどなど挙げればきりがないほど。
推しは他人と一緒のものではなく、あくまで「私が好きなもの!」。
人と同じでなくていい、「私は私」と推し活では自己主張できるのもいいなと思っています。
 

女の子が安心して過ごせる居場所「わたカフェ」

わたカフェを利用している女の子の話
ある日のこと、学校になじめないと話すAちゃんと相談室で話していました。
パーカーのフードをかぶり、両手をポケットにいれてうつむき加減で悩みを話します。
彼女の力だけではどうにもならない問題に私も言葉が詰まります。
これまでよくやってきたことを伝え、少し沈黙。
そして「そんなストレスフルな状況のなか、どうやってこれまでやってきたの」と尋ねました。
するとAちゃんはおもむろにポケットから両手を出してテーブルの上に置き、手を開きました。
その手に握られていたのが2体のかわいいアニメキャラのぬいぐるみ。
「このキャラが大好きで苦しい時はこれを握っていた」とAちゃん。
私と話をしながらもこれを握りしめていたことがわかりました。
「嫌なことがあったらこれを握ると癒される」と。
その後、映画にもなったそのキャラについて楽しそうに説明してくれました。
 
推し活の意義
 推しはつらい現実を生きる活力を与えてくれる存在です。
嫌なことがあっても推しの動画を見て明日もなんとかやっていこうと思う子、推しのライブに行くためには生きていなきゃなと思い直す子、推しの言葉に励まされて学校に行く子など推しは若者たちの間ではなくてはならないものになっています。
 
もちろん、過度な推し活は問題ですが、簡単には変えられない状況に生きている子たちが推し活ではホッと笑って笑顔になれる、そんな時間になっていたら本当に素晴らしいことだと思います。
プラン・インターナショナル 臨床心理士 橋本