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デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

【写真の説明】左は最近購入した文庫本、右は初版本(2011年)。初版はタイトルに「法廷の手話通訳士」はついていなかった。


12月16日(土)と23日(土)に「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」(以下、デフ・ヴォイス)がNHKドラマとして放映される。私は録画装置をスタンバイしてドラマを見ることを心待ちにしている。


デフ・ヴォイスとは、ろうコミュニティを舞台にした丸山正樹の推理小説である。ろう者や難聴者、手話を使う・学ぶ人なら、かなり多くの人が知っているだろう。第6回全国高校生ビブリオバトル決勝大会でチャンプ本に選ばれたことや韓国でも映画化が進んでいることから、じわじわと人気を集めているようだ。


デフ・ヴォイスを読んでみれば、今日のろうコミュニティで暮らすろう者や難聴者そしてコーダの生きざまがありありと描かれていて、ストーリー展開に絶妙なリアリティさが感じられる。推理小説というエンタメも加わって、思いもかけない結末には心地いい読後感を残すのである。


Deaf MAPは、今年の7/23にデフ・ヴォイスをとりあげて読書会を開催した。当然、NHKドラマのことも話題にあがった。


主人公のコーダの荒井尚人役を草彅剛さんが演じる。コーダとは、ろう親の間に生まれた子のことで、コーダは小さいときからろう親と手話でコミュニケーションをするためネイティブな手話表現をする人が多い。コーダ役を草彅さんが演じるというのだから、どこまで手話表現ができるのか。またコーダの手塚瑠美役を演じる橋本愛さんの手話表現にも注目したい。


先日、ようやくデフ・ヴォイスのろう者・難聴者のキャストが発表された。私が知っている人と知らない人が半々という感じであったが、これだけの役者が集まったことはまさに圧巻である。ドラマや映画において、ろう者・難聴者役を演じる人はたいていきこえる人の俳優だったが、今回のドラマは当事者が演じており、これまでのドラマや映画とは一線を画したものとなっている。NHKさん、よくぞやってくれた!と声をかけてあげたい。

★ドラマ「デフ・ヴォイス」概要やキャストはこちら (NHKプラス)


国立障害者リハビリテーションセンターが丸山正樹の特別講演を企画し、収録したものをインターネット上で公開している。(公開は12/27まで)デフ・ヴォイスを書いたきっかけや背景、エピソードなど面白いお話が聴ける。タイトルにある「法廷の手話通訳士」が追加されたエピソードも面白い。関心のある方はぜひどうぞ。

丸山正樹の特別講演(国立障害者リハビリテーションセンターのホームページ)


デフ・ヴォイスを観たら、あらためて感想をブログに書こうと思う。

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