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"『創作とはなんですか?』(中略)『それがわかりそうなのです』彼女か変わらない声で、そんな大それたことを呟いた。『映画を撮ります』新人の言葉が続く"2012年初版、2019年新装版となる本書は日本一の劇団壊滅から始まる『アムリタ』シリーズ最終章。

個人的には"このシリーズはちゃんと順番に読んでください"という読書好き仲間のアドバイスに従って読んできたのですが。

さて、そんな本書は専用劇場『エリシオン』有する"日本一のプロ演劇集団"『パンドラ』のオーディションを無事に突破した数多一人(あまたかずひと)が【仲間たちと演劇の道をひた走るかと思いきや】1人の女性新人の入団試験の出来事で(冒頭100ページ弱で)劇団は壊滅(笑)一人残った数多はその女性に『映画に出ませんか?』と言われるがままに、二人きりで映画制作"創作活動"を【これまでのシリーズ登場人物を次々に巻き込みながら】ゼロから始めていくのですが。

まず、これまでのシリーズ全体に共通しての話ですが。本書でも序盤の劇団『パンドラ』話で登場したクールな阿部足馬(あべたるま)エネルギー溢れる振動槍子(しんどうやりこ)といった、【他作品ならもう少し活躍しそうな魅力的なキャラクター】が『あっさりフェイドアウト』していくのが"らしくて"ニヤリとしてしまった。

一方で、これまでシリーズを順番に読んできた読者に対するご褒美のように【これまでの各巻の主要人物たちが次々と登場】それぞれ濃淡はあるも(パーフェクトフレンド勢はもうちょい活躍してほしかったかな?)話に絡んでくる展開は胸熱で。またラストのどんでん返し二連発も『シリーズ共通』とうまくまとまっていて驚かされました。

著者ファンはもちろん、展開の早い作品が好きな方、創作活動に関わっている方にオススメ。

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