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京都の路地裏 生粋の京都人が教えるひそかな愉しみ

"誰も居ない路地。寝そべる猫だけが唯一の生き物。だが、そこには無数の塊が蠢いている。遠い過去、つい最近のこと。悠久の時の様々が路地裏には流れている。"2014年発刊の本書は、京都に生まれ育った著者による路地(ろーじ)の魅力に着目したガイド本として、ふとした気付きを与えてくれる。

大学が京都であったことから、毎年秋になると観光に京都を訪れようとする友人から【どこかオススメある?】と聞かれるも、どだい貧乏な学生生活を過ごしていた身。天下一品の本店位しか紹介できないのが悔しくて?コソコソと京都案内の本を手にとる中で本書に出会いました。

そんな本書は、教科書通りの名所めぐりだと【既存の知識の確認作業に終わってしまい】あまりにもったいない。と言う著者が、碁盤の目の様に整然と作られた街が、豊臣秀吉他の様々な権力者の影響で作り変えられ【結果的に複雑な路地を形成していった】事の紹介から始まり、名前の由来や伝承を紹介したり、後半は路地裏細道のグルメ紹介を行っているわけですが。特に前半の部分が、京都には【今もいて欲しい魑魅魍魎の数々】狐に鵺に人食い蜘蛛などの伝承を紹介してくれていて楽しかった。

気軽に読めるので、余裕をもって京都を訪れる方のガイド本の一つとしてオススメ。また私のように縁があって、何かと京都ガイドを引き受ける立場の方の豆知識的にもオススメ。

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