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リア王

"最も老いたる者が最も苦しみに堪えた、若い吾れわれは今後これほど辛い目に遭いもしますまい、これほど長く生きもしますまい"1604年頃に発表とされる本書は伝説の王レイアの文献を基に老王リアの悲劇を描き、四大悲劇中最も壮大な構成とも言われる不朽の名作。‬

個人的には、読書会の課題本として随分久しぶりに手にとったのですが。マクベスなどと比べると【メインとサブストーリーが同時進行、複雑に絡み合っていて】今読んでも普通に面白い。という印象。

そんな本書は老王リアが退位にあたり、3人の娘に領土を分配する決意を固めた所から始まるのですが。やはり最初に疑問に残ってしまうのは、末娘コーディーリアへの激怒といった【老王リアのあまりの愚かさ】でしょうか。年を重ねると自分自身ではなかなか気づけないものなのかな。と自戒も込めて思いました。

また、終盤近くの英仏軍の争いがあるわけですが。史実通りなら仏軍が勝利してハッピーエンドとなるはずが、一転して本書では悲劇的展開になっているのも、著者の生きた当時の【プロテスタントとカトリックの対立】事情が反映されているのかな?と色々と考えてしまいます。

物語の模範として、現在まで様々に引用される作品を探す人や、悲劇好きな人にもオススメ。

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