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生き方

"時代にもっとも必要なのは、『人間は何のために生きるのか』という根本的な問いではないかと思います(中略)懸命に汗をかくことをどこかさげずむような風潮のある時代だからこそ、単純でまっすぐな問いかけが重い意味をもつのだと私は信じています"2004年発刊の本書は名経営者が語る人生指針。

個人的には著者の訃報に接して、久しぶりに言葉に触れたく思って手にとりました。

さて、そんな本書は京セラ、KDDIを設立する一方で、若手経営者が集まる経営塾『盛和塾』塾長、また財団を設立して『京都賞』を設立するなどして多くの方々に影響を与えてきた著者が、一個としての人間の生き方のみならず、企業や国家、さらには【文明あるいは人類全体までを視野に入れて】『生き方』を根本的から問い直しているのですが。

まるで講演会に参加しているように、松下幸之助や本田宗一郎といった先輩経営者との興味深いエピソードや自身の失敗談、【人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力】(人生の方程式)といったわかりやすいキャッチフレーズが散りばめられていて。原理原則から【利他の心を大切に、宇宙の流れと調和する】とスケールの大きな内容へと飛躍するにも関わらず、共感しきりでした。

また、やはり経営者として『知識より体得を重視する』つまり"知っている=できる"と思っている人も増えている情報化社会において。【『知っている』と『できる』の間には、深くて大きな溝がある】と、あくまで現場経験を大切にしてきた事や、判断において【おのれの欲が働いていないか、私心が混じっていないか】と本質や利他の心を重視してきた話には流石に説得力があって、ビジネスパーソンの一人としても強く感じる部分がありました。

著者ファンはもちろん、人生、生き方を見つめ直したい方にもオススメ。

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