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学校図書館はカラフルな学びの場

"本を返しに来たついでに学校司書と感想を共有するコトも、ひとつのモノとコトの循環である(中略)そのような循環のプロセスに、カラフルな学びのチャンスがある。"2018年発刊の本書は実際のエピソード紹介を踏まえ、ベテラン学校司書が"図書館と学び"について考察した良書。

個人的には、いわゆる"サードプレイス"として図書館をリサーチする中で、NPO法人パノラマ、そして著者の事を知って興味を持ったことから手にとりました。

さて、そんな本書は著者の勤務していた神奈川県の各高校での学びのエピソードとして、ミュージシャンへの質問企画から【手作り雑誌ができたり】図書館をステージにDJ、プロレス、コントなど、生徒の隠れた特技を発表する【大演芸大会が誕生したり】戦争や芸術といった【答えや言語化の難しい事を考えたり】といった事例が紹介された後で、それを踏まえて『自発的な学びが起きるきっかけ』や具体的な引き出し方、やり方を第2章で考え、最後の第3章ではエピソードで紹介された元生徒や関係者のコメントが収録されているわけですが。

まず、ステレオタイプ的な図書館のイメージ。図書館は静かに本を読む場所であり、どちらかと言えばアクティブではない生徒のシェルター空間。といったイメージとは全く違う、【楽しげでアクティブな様子】がエピソードから伝わってきて、とても驚かされました。(他の図書室も今は変わってきているのでしょうか?)

また『図書館』はさておいても、第二章からの自発性を引き出す仕組みづくりや工夫も、私自身が場づくりに関わっている事もあって、どのサードプレイスでも共通して参考になるものであり、非常に興味深かったです。

学校図書館に関わる方はもちろん、広く本のあるスペースや学びのあるサードプレイスをされている方にもオススメ。

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